• ブログ休みのお知らせ

    10月22日 (木) と23日 (金) のブログを休みます。
    (土日祝祭日はいつも休んでいるので、普通に休むけど)

    理由は、法事による帰省です。
    この週末は、管理人ぷらちッが代わりに記事を書いてくれるかも。

    にしても、関西のお土産って何があるんだろう?
    大阪じゃなくても、ひとくくりに “関西” なら、どこでも良いんだが
    空港でいっつも迷うんだ。

    洋菓子系は神戸が多く、京都は漬け物とワンパターンで
    大阪が意外に、これ! と言ったものがない。
    土産物ってそういうものかなあ。

    ちなみに、どこぞの有名な冷凍たこ焼きを兄に送ったら
    「自分でまず食ってから送れ」
    という、ものすごいキツい御礼を言われた・・・。
    食い倒れの街大阪は、お持ち帰りは得意じゃないんかのお?

    久々に熊本の地を汚しに行くわけだが、この時期は困るのが服なんだよ。
    誰に訊いても、「何かはおる物を1枚」 と言われるけど
    その “はおる物” の厚さがわからんで、ほんと悩ましい。

    こんな質問をされても、相手も困るだろうけど
    そんな中、すんげえヒントをくれた人がいた!!!
    「熊本は関西よりは確実に暑いから、関西よりちょっと薄着で。」

    これ、言われたら当たり前の事なんだが、気付かなかったよー。
    以前に、東京から熊本に観光に来る友人がいてさ
    それが11月頃で、「寒い?」 と訊かれて、「寒い」 と答えたんだ。
    熊本 “にしては” 寒かったんだよー。

    そしたらその友人、まさかのロングのダウンジャケットで来てさ・・・。
    あんなかさばる衣服に、文句ひとつ言わなかったけど
    ほんと申し訳なかったよー。

    そんで生まれ育った地域によって、暑い寒いの感覚と耐性も違うらしい。
    私は南国生まれなんで、すんげえ寒がりなんだ。
    でも同じ境遇の人より、寒さに弱いっぽい。
    これは体型の違いだと思う。

    だから、「どんな服で」 と問われるのって
    答えようがなくて迷惑だと思う。

    でも荷物は減らしたいから、どうしても訊いてしまうんだよなあ。
    夏や冬はわかりきってるから良いけど、春と秋って難しいよな。

    地元でも、出かける時と帰宅時では気温差があるじゃん。
    はおる物って言っても、厚手薄手どうすりゃ良いんだか
    建物の空調もよくわからんし、万能服ってないよな。

    だけど暑い中寒い中に、出かけたくはないから
    今回はこの時期でほんと助かる。

    今年はわけわからん気候だったんで、例外かも知れんけど
    熊本のいつもの夏は蒸し風呂地獄なんだ。
    夏に呼び出しをくらっていたら、ほんと生死に関わっていたぜ。

    と言うか、実家の状態によっては、兄と大ゲンカになるかも知れんので
    いずれにしても生死に関わるかも。

    ほんと気が重い帰省だよ・・・。

    昨日から荷造りのリストを作り始めたけど
    自分が旅行が嫌いな理由がわかった!
    たった数日の移動なのに、膨大な荷物になるんだ。

    化粧品の類は、チマチマと詰め替えをやってるけど
    詰め替え容器って、洗うのが大変じゃん。
    液体系は、弁当用のしょうゆ入れを買ってきて使い捨てにしたさ。

    そもそも普段使いしている物が多すぎるんだよー。
    部屋丸ごと移動できたら良いのに・・・。

    と言うわけで、あさってから休むけど、惨劇が起きての事じゃない。
    来週の月曜からは普通に再開をするので、よろしくお願いいたします。

  • ジャンル・やかた 18

    「さあ、ローズさんからものすごーーーく褒められて
     やる気が出たんで、ちゃっちゃと行きましょかねー。」

    アッシュがイヤミっぽく冗談を言いつつ、廊下を歩いて行く。
    ドアのひとつひとつをへっぴり腰で覗いていた時とは大違いである。
    ほんの一日二日で・・・。 この変化は進歩なんだろうか?

    アッシュの変わりようを、“成長” と喜びつつも
    初めて出会ったようなこの人物を、どうしてもいぶかしんでしまうローズ。

    「ちょっ、あんた、そんなにスタスタ行くと」
    危ない、と言おうとしたその瞬間、案の定ドアが勢い良く開いた。
    走り出て来た人影は、アッシュに向かって叫んだ。

    「あたしが殺ってや」 ジャキッゴスッ
    アッシュが素早く警棒を出し、女の首筋に振り下ろした。
    先日のローズのように。

    よろける女性に鋏を突き刺すローズの背後で、アッシュが騒いだ。
    「いっっってええええええええええええええええ!
     ほんとに痛ええええええええええええええええええええ!」

    警棒をはめた右腕を抱えながら、うずくまるアッシュ。
    「警棒がね、こう、ね、骨に、ゴリッと、痛みがね、うううーーーーー」

    ああああ・・・、もう本当に始末に終えないヤツだね
    冷ややかな目ながらも、アッシュの警棒を外してあげるローズ。
    「殴るのも殴られるのも、同じに痛いんだよ。」

    そうだよね、人を本気で殴るなど、一生経験しない人も多いもんね
    武器で殴っても、こんなに痛みが伝わってくるんだ・・・
    映画なんか、平気で殴り合いしてるけど
    あんなん、よっぽど鍛えてないと無理なんじゃん。

    しばらくのたうち回っていたアッシュだったが
    フラフラと立ち上がり、涙に濡れた瞳でローズを見つめた。
    「ローズさん、1発で何なんですけど、私やっぱり戦闘ムリですー。
     すっげー痛いですー。
     骨にヒビぐらい入っとるかも知れませんー。
     よって、今後のバトルは全逃げに徹しますー。
     つまり、あとよろー、って事ですー。 良いですかー?」

    「えらいあっさりと諦めるのもどうかとは思うんだけど
     その方があたしもやりやすいし、それで良いよ。」
    「お互いに得意分野で勝負しましょう、って話ですよねー。」

    あんたに得意分野ってあるんかい、と、ここで突っ込めば
    アッシュの良いカモになれたんだが
    ローズはアッシュの軽口はとことん無視に回っていた。
    その態度は結構、正解だった。
    アッシュをそれ以上、見下す事態にならないで済むからである。

    「じゃ、この階をグルッと一周お願いしますー。
     私は後ろから付いて行きますんで。
     あ、ドア全部開けつつ、どうかなにとぞー。」

    イラッとしながら歩き出したローズの背中に
    倒れている女を見ないよう、アッシュがぴったりと張り付く。
    「うっとうしいねえ、もちっと離れな。」
    へへ、とアッシュが笑った。

    可愛いと思えなくもないんだけど、何だろね、このカンに障る感じは。
    その突拍子もない言動で、得体が知れない印象を与えるアッシュだが
    ローズの感じる違和感は、アッシュの持つ闇を敏感に察知していた。
    ローズは正に、常に生き残れる兵士の感覚を備えていたのである。

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 17 09.10.15
          ジャンル・やかた 19 09.10.19

  • ストレッチ

    ストレッチというものを知らない。

    こう言ったら、すげえ驚かれたけど
    学校では、あまりストレッチを教えられなかったと思わんか?
    私が聞いてなかっただけかも知れんが (この可能性がものすごく大きいが)
    体育とか部活でやった記憶がないんだよな。

    何か、ここ10年ぐらいで、やたらこの単語を聞くようになって
    単なる筋伸ばしも英語?で言えば立派に聞こえるよな
    ぐらいに、ナメきっていたんだが
    ヘルニア持ちの知人が、朝一でアキレスのストレッチをすると
    腰の具合がかなり違う、と言うんで、ガシガシやっていたら
    「そんなんじゃ、腱を切ってしまう! こうジワーッと・・・」
    とか、すんげえ指導入って、それがまた悠長な動作で
    そんなクソ面倒くせえ事をやっとられるか!
    と、それきり “ストレッチ” の単語は、封印しとった。

    しかし思うとこあって、最近ストレッチを始めた。
    と言っても、正しい方法とか一切知らないんで全部、勘!!! で
    とにかく、あっちゃこっちゃゆっくり伸ばせば良いんだろ
    と、テキトーにやっている。

    お手本は、アフガンハウンド。
    こいつ、寝てて起きると、必ず伸びをしてたんだ。
    それが、まず前足を伸ばして、背中を丸めつつ肋骨を伸ばすように
    ググーーーーーーーーーーーッと後ろに引き
    次に前足に全体重を掛けて、後ろ足を思いっきり伸ばす
    この2つを1セットで、必ずやっていた。
    ゴールデンレトリーバーの方は、まったくこういう伸びをしない。

    アフガンは、ものすごく関節の可動域が大きくてバネのある
    正にしなやかな肉体であるのに比べて
    ゴーデンレトリーバーは、胴体の中心に鉄骨が1本通ってねえ?
    というぐらい、体が硬かった。

    何か体が硬直してるな、と思う時は
    アフガンのあの伸びを思い出してたんで
    犬畜生が本能でする事ぐらい、人間様の私にも出来るはず
    と、ひたすら勘で、あちこちを伸ばそうとしている。

    そんな非人道的な差別用語を出して張り合う前に
    ネットで正しい方法を調べろよ! と言う話だが
    そーこーまーでーしーてーーー?かっこわらいとじかっこ
    と、ストレッチをどうしても軽んじてしまう自分がいるのだ。

    ところが、何日か続けてみると、かなり体調が違う!
    たかが10分ぐらいの足腕グイグイで
    目の疲れから来る肩の痛みが軽減されたのだ。

    て言うか、ヘンなとこが筋肉痛になってるんだ。
    膝の裏とか背中とかは、神経痛っぽい痛みも続いている。

    そんで、私は元々ゴールデンを笑えないレベルで体が硬いんだが
    膝を額に付けるつもりで両手でグイグイした後に
    足を真っ直ぐ元の位置に伸ばす時に、足の付け根の関節がゴキゴキ鳴る。
    えーと、曲げようとしても中々曲がらず一気にパキッといく、みたいな
    骨が関節のソケット?内でゴリゴリ擦れているような。

    これは良くないんじゃないか? とビビっているんだが
    何かヤバい事になってそうで、恐くて益々調べたくない心境に。

    つーか、何十年も運動をしていない体の硬い老人用のストレッチ、あるんか?
    つーか、そもそもそういうヤツがストレッチとかやって良いんか?
    グルグル考えて悩んでたが、やっぱ調べる事にする。
    この記事を書いて、ようやく決意が出来たよ、ありがとうブログ!!!

    今、健康法とか運動法とか、色々ありすぎて
    運動嫌いで健康管理無神経の素人ババアには、ものすごく敷居が高い。
    選択肢が多すぎる、ってのは、逆に物事を困難にしている気がする。

    化粧品なら、大好きなんで常にチェックしているから
    選択肢が多いのはありがたいけど
    あの何万種類とある中から、1個を選ぶなんて
    マニアじゃないと無理な話だよな、とよくわかったわ。

    これから訊かれたら、最終的には具体的に1~2品を挙げようと思う。
    その品を基準に、これよりもっと○○な物、と
    本人が候補を狭めていけるもんな。

    化粧品アドバイスをする時の、すんげえ参考になったぜ。

    ・・・って、違う!!!
    問題は、自分の健康管理の運動法なんだよ!
    こうやって、すぐ脇道に逸れるから本来の目的を忘れるんだよな。

    とにかく、老人になって寝たきりにならないよう
    真面目に体を動かす事を考えよう、と思い始めたんだ。

    運動、ほんと面倒くせえし、痛いのも辛いのもイヤなんで
    こんな私に合う運動があれば良いんだが。
    ストレッチの10分も、何かむっちゃタルい・・・。

    ちなみに、やってて思ったんだけど
    ラジオ体操、あれもしかして全身ストレッチじゃねえ?

    いっつもタラタラやってて、真面目にした事がなかったんだが
    一生懸命やったら、全身の筋を伸ばす仕組みになってる気がするぞ。
    もし、この推理が当たってたら、ラジオ体操、すげえよな。
    何で教師たちも、その意味をちゃんと教えなかったんだろう?

    と、すぐ人のせいにする、と。

  • ジャンル・やかた 17

    ふたりがやってきたのは、北館2階である。

    確かにここはまだ調べていないけど
    この前1戦目で逃げ帰ったのに、大丈夫かねえ。
    心配するローズに、アッシュが振り返ってドアを指差す。
    その目は前回とは違い、力強い光が宿っていた。

    ローズがうなずくと、アッシュはドアの横の壁を背にして
    左手を伸ばしてドアを静かに開けた。

    部屋の中は無人であった。
    アッシュは全体を見回すと、さっさと隣の部屋のドアの前に移動し
    またローズの目を見て、無言でドアを指差す。

    まるで別人のようだね・・・。
    ローズは不思議だった。
    この2日間で、何故こうまで変われるのかわからない。

    ローズの目には、“変わった” と映るだろうが
    ふたりが出会った瞬間に、アッシュはパニックを起こしていたので
    それが正確な表現なのかは定かではなかった。

    2つ目の部屋も3つ目の部屋も、人の気配はなかった。
    4つ目の部屋の中に立ったアッシュは言った。
    「このエリアは色んな作業をする部屋ですよねえー?
     普段は人が仕事をしているんでしょー?
     それが誰もいない、って事はー・・・」

    「ここが今日のバトルエリアってこった。」
    急に男性の声がしたので、アッシュは飛び上がった。
    「うおっ、びっくりしたああああああ!!!!!」
    あ、やっぱり変わってない・・・、とローズは思った。
    それが嬉しくもあり、残念でもあるのは
    ローズの方が、変わりつつあるのかも知れない。

    アッシュは男を睨みながら腕を振った。
    シャシャッガッと音がして、警棒が伸びた。
    その様子が我ながら格好良すぎて、アッシュはついついニヤついた。

    「おっ、警棒かい、マニアだね。」
    「いやー、マニアってほどじゃないですよー。 えへへー。」
    「俺の武器はこれだぜ。」
    男が差し出した武器を見て、アッシュは驚いた。
    木の棒に、直角に取っ手が付いている。

    「あっ、トンファー!」
    「ほお、知ってるのかい?
     カンフー映画で観て、自分で作ってみたんだ。」
    「手作りですかー? えー、すっげーーーーー!
     じゃ、三節棍とか作れますー?」
    「あー、あれねー。 うん、作れると思う。」
    「私、中国で行われた少林寺拳法の大会をTVで観たんですけど
     三節棍使いが優勝してた記憶があるんですよねー。」
    「えっ? そうなのか? 
     確かにこれ、ちょっと使いづらいし、んじゃあそっちにしてみようかな。」
    「あれ、絶対に便利だと思うー。 相手との距離幅の融通も利くしー。」
    「あんたのそれも面白いな。 腕にくっついてんのかい?」
    「そうなんですよー、格好良くないですかー?
     こう、シャキーンと出して・・・、あれ? 引っ込まないー。」
    「ああ、それ垂直に押さないと引っ込まないんだよ
     コツがいるんだ。 ちょっと貸してみい。」

    「こうやって真っ直ぐコンコンと・・・」
    と、男が実践し
    「うわ、難しそうーーー」
    と不安がるアッシュに、アームのベルトをはめてやる。
    「慣れれば、すぐ引っ込められるようになるよ。」

    妙になごやかな雰囲気のふたりを見て
    イライラしていたローズは男に鋏の先を向けながら、怒った。
    「ちょっと、あんたら、何を仲良くやってんだい。 さっさとやるよ!」
    「あ、俺、やらねえ。」
    「はあ?」
    「やっぱ話すとダメだな。 話が合ったりすると特にな。
     俺はリタイアするよ。 嬢ちゃん頑張んな。」
    「あ、あ、ちょっと待って、三節棍、作ってもらえませんかー?」
    「オッケ、出来たら貸すよ。 俺は4階に住むラムズってもんだ。」
    「ありがとうーーー。」

    にこやかに手を振るアッシュを見ながら
    怒るべきか、無視するべきか、ローズは迷っていた。
    ラムズは普段から気の良いヤツで、ローズも戦いたくはなかったので
    結果としては良かったのだが、それは運が良かっただけ。
    あのように、すぐに無防備になられたら困る。

    迷ったあげくにローズの口から出た言葉は、自分でも以外だった。
    「嬢ちゃん?」
    そうなんですよー! と、アッシュはエキサイトした。

    「東洋人が若く見られるのは話には聞いてたけど
     まさか、ここまでとは思いませんでしたよー。
     そりゃ私は日本人同士でも若く見られてたけどー。」
     
    天狗になろうとしているアッシュの鼻を、ローズはさっさとへし折った。
    「ふん、人前でビービー泣くから、ガキだと思われてんだよ!」
    「あっ・・・、そうだったんですかー・・・。」

    見るからにガックリきているアッシュの、うつむいた横顔に
    すぐ顔に出すのがガキの証拠なんだよ、と思ったが
    ここで落ち込まれると、また面倒なので
    何か良い慰めの言葉でもないか、と捜していると
    アッシュがローズの顔を見て言った。

    「ローズさん、私、褒められて伸びるタイプなんですー。
     と言うか、褒められないと絶対に伸びないタイプなんですー。
     ウソへったくろでも良いから、とにかく褒めといてくださいー。」

    これはジャパニーズジョークなのか? と、一瞬疑ったが
    アッシュの真っ直ぐな瞳に、心の底から真面目に言ってると気付き
    激しい動揺を隠すがごとく、こぶしでアッシュの脳天をゴツンと叩いた。

    ローズの鉄拳は、結構痛いものがあったが
    大人しく後ろを付いて行ったのは
    部屋を出るローズの背中が、怒りに燃えていたからである。

    うちの親戚連中もこんなやってすぐ怒るしなあ
    アッシュは、自分の言動がある種の人間にとって
    ガラスに爪を立てる行為と似たようなものだとは気付いていなかった。

    その、“ある種の人間” とは
    アッシュを心配してくれる人々である事も。

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 16 09.10.13
          ジャンル・やかた 18 09.10.19

  • 兄と水

    てか、水話題、前にも書いた気がして
    何度も同じ話をするトンチキババアではあるんだが
    今日は怒りにあふれているので、ボケてるわけではなーい!

    いつだったか、多分ここ1~2ヶ月以内の事だったと思うが
    熊本市の水は全部、井戸水を使っている、とTVで観た。
    (地下水、って意味かも知れんが、“井戸水” って言ってた。)

    熊本住み時代に、私はミネラルウォーターを1度も買った事がなかった。
    水道水が何の支障もなく飲めるからだ。
    それでも世間は、ミネラルウォーターの時代なんで
    一応ヤカンで沸騰させた水を飲んでいた。
    炊飯とか料理に使う水は、堂々の生水である。

    正直、ミネラルウォーターがある意味がわからなかった。
    もちろん熊本でも売られているんだ。

    ミネラルウォーターっちゅうのは、特別な栄養が入った水で
    皆サプリとして飲んでいるのかな、と思っていたんだ。
    すまん、これほどのアホウで、ほんとすいません。

    兄が熊本に帰ってきて以降、実家ではミネラルウォーター常備になった。
    色んな場所の、天然水だかミネラルウォーターだが知らんが
    あっちゃこっちゃの水を、あれこれ取り寄せている。

    それは兄の自由なんで良いんだけど
    私に利き酒ならぬ利き水をさせるんだよ、いちいち。
    水道水とミネラルウォーターを飲み比べさせるんだよ、いちいち。

    その度に、ソムリエ並の表現をせにゃ不機嫌になる兄に気を遣って
    もんのすげーーーーーーーーーー、頭をひねりにひねったもんだ。

    このブログを読んでるヤツなら、私の苦労がわかると思う。
    私って、感性が鈍く、言葉の種類も少なく、表現にも乏しいだろ。
    ああっ、いいから! 自覚してるんで慰めはいらんから。
    でも年寄りはそう言いながら、流されると怒り出すがな!

    私の構われたい願望はどうでも良い。
    話を正道に戻すと、この利き水、ほんと大変なんだよ。
    いや、水に限らず、食い物の評価って私にとっては無理難題なんだ。
    それを兄は、何の嫌がらせなんか、更生させようとしとんのか
    私にえれえ望むんだ。

    大体水ってさ、味をそんなに多彩に表現できるかあ?
    て言うか、ワインだって、ちょい甘ちょい辛普通 以外に
    どう言えっちゅうんじゃあ!
    (私的には酸味があまり好きじゃないので、ワインは嫌いなんだが、
     「酸っぱい」 などと言うと、ソムリエがすっ飛んできて
     兄曰くの “面白い” 事になるらしいので
     死んでも 「酸っぱい」 とは言えない。)

    つーか、東京に何年も住んでいた時も、平気で水道水を飲んでいたので
    そんな私に水を語る資格はない、と自分でも思うんだが
    この、キーを打つのもめんどくせえミネラルウォーター、
    ほとんどが、熊本の水道水と何ら変わらなかったぞ?

    それを誰にも言えずにいたが、一度だけ某どこぞのガンも治る水が
    あまりにも熊本の水道水に激似だったんで、我慢できずに言っちゃったが
    熊本市の水道水が井戸水だとTVで観て

    そら見た事かーーーーーっっっ!!!

    と、もんのすげえ自分の味覚に自信を持ったぜ。
    さすが私! 凄え! 駄菓子で鍛えた舌はただ者じゃなかった!

    1本2リットルだっけ? 最低100円以上するだろ
    何でそんなんに、そんな金を出さにゃいかんのだよ?
    しかも天下の熊本でだぞ?
    もう、アホかバカか贅沢ぬかすんじゃねえ、と3日3晩説教したいね!

    最初に、ちょい前にTVで観た、と書いたが
    何故、今頃になって激怒しとんのか、と言うと
    来週末に法事で帰省せにゃならんのだ。

    その打ち合わせの電話で、兄がえれえ渋ってなあ。
    どうやら私の寝る部屋がないらしい。

    いないヤツの部屋が物置になるのは、自然の摂理でしょうがない。
    だけど6LDKで寝る部屋がない、ってどういう事だよ?
    しかも納戸が2部屋あるんだぞ、押入れなんか9畳分あるんだぞ?
    外にも100人乗っても大丈夫な物置が大小4個あるんだぞ?

    うちの実家、マジでゴミ屋敷になってるんかよ!!!!!!!

    で、私の部屋には、何とミネラルウォーターの箱が山積みなんだと。
    熊本で水をそこまで通販してんじゃねえ!!!!!!!!!

    私だって、この財政圧迫の中、飛行機代払ってまで帰りたくねえよ。
    早い予約で割り引かれても、往復3万ちょい掛かるんだよ。

    新幹線? ああーーー? 誰に言っとんのじゃ?
    何時間もジッと座っとられるかい!
    腹ん中にギョウ虫がいるんじゃないか、と思うほど
    落ち着きがないんだよ、私は!

    (痩せてるのは寄生虫のせいか、と虫下し薬を飲んだ事まである。
     もちろん薬剤師には止められた。
     結果、痩せも落ち着きも何の変化もなし。
     正当な虫はいないようだが
     これで脳みそにウジが湧いてる確率が、益々高くなった事は確かだ。)

    だけど実家に置いてある荷物を、ちょっとでも持って来たいんだ。
    「買えば良いやー」 と、思って置いてきてたんだけど
    貧乏で、とても買えない事に気付いてな。

    結局は己の欲で怒ってるんだが
    帰る場所がない、ってのも、ほんと悲しいぞ。
    それにも増して、実家がゴミ屋敷なのは、もっと辛いぞ。

    ああ・・・帰るのが怖い・・・・・。

  • ジャンル・やかた 16

    珍しく朝早く起きたアッシュの目に留まったのは、テーブルの上のメモ。
    どうやらローズは、アッシュが寝ている真っ最中の部屋に
    自由に出入り出来る神経を会得したようである。
    こんな危険な館で、気付かず爆睡してる方もどうなんやら、だが。

    読み書きが苦手なアッシュは、最後の署名だけ見て
    とりあえずローズの部屋に行けば良いや、と流した。
    そしてその受け流しは、アッシュにとっては滅多にない正解だった。

    ローズの部屋に行くと、見知らぬ女性がいた。
    「あたしの姉のバイオラだよ。 鍛冶屋みたいなもんをやってる。」
    「かかかかかかか鍛冶屋ーーーーーっ?  !!!!!」
    RPG好きのアッシュの心は、狂おしくときめいた。

    ソワソワと嬉しそうに握手をするアッシュ。
    とまどうバイオラの耳元で、ローズが囁く。
    「その動揺はわかるけど、さしたる害はないから大丈夫。」

    「でね、あんたに武器を見つくろってきたんだよ。
     いやあ、大変だったよ、作るのはさあ。
     図書館で勉強をしたのは久しぶりだったよ。
     日本人という事だから、やっぱり使い慣れた武器が良いだろ?」

    バイオラは布包みを開いた。
    「どうだい、ザ・シュリケーーーン!」

    「一体いつの時代の本をー・・・?」
    アッシュは青ざめた。
    しかもその手裏剣は、ブ厚い上に直径15cmぐらいあって
    投げるどころか、重くて持てない。

    「これ、試しに投げてみてくださいよーーー。」
    アッシュにうながされバイオラが投げると、手裏剣は手を離れた途端
    急降下して、30cm先の床にドスッと刺さった
    「ああああああああああ、あたしのラグがーーーーー!」
    ローズが悲鳴を上げた。
    「こっ・・・これはアキスミンスターの骨董ものなんだよ!」

    「あはは、ごめんごめん、ちょっと使いにくかったね。
     じゃあ、こっちの鎖鎌はどうだい?」
    鉄球から1mほどの太い鎖が伸びていて、先には鎌が付いている。
    「サムライの日本刀は知ってるけどさ
     あれを作るのには、かなりの時間が掛かると思うんだよね。
     その点、このニンジャ武器ならある材料で作れるしさ。」

    バイオラなら、ツヴァイハンダーのような日本刀を作るに違いない
    中腰で、直径10cmの鉄球を両手でやっと持ち上げたアッシュは
    泣きそうな目でローズを見つめた。
    ローズはラグの穴をさすりながら、バイオラを睨む。

    バイオラは豪快に笑った。
    「あはははは、冗談だよ、冗談。
     こんな重いものを戦闘で使えるわけがない。」
    そう言いつつも、急に真顔になって溜め息を付いた。
    「・・・持って来る時に気付いたんだがね・・・。」

    「あ、あのですねー、手軽に警棒とか、ないですかー?
     アルミかなんかの軽いので、3段に伸びて
     腕に取り付けられるようなんが良いんですがー。」

    「警棒ならあるけど、腕に取り付けるって?」
    ローズが持ってきた警棒で、身振り手振り説明をする。
    「ほら、ここに警棒付きのアームカバーをして
     腕を振ると、警棒がジャキジャキンって伸びるのー。」
    「へえ、それ良いアイディアだね。
     すぐに出来そうだから、ちょっと急ぎ作ってくるよ。」

    バイオラの背中に向かって、アッシュが懇願の叫びを上げた。
    「軽いのをー! とにかく軽いのをーーーーーーっ!」

    バイオラが部屋から走り出て行った後
    ローズを睨んで、アッシュがイヤミっぽく言った。
    「うちら兄妹を変人扱いするだけあって
     えらいマトモなお姉さまをお持ちでー。」
    「うるさいね! あの人は武器防具になるとああなんだよ。」

    「どうするんですかー? この床が抜け落ちそうな重さの鎖鎌ー。」
    「持って帰らせるよ。 しかしこれ、バイオラ、よく持ってこれたよねえ。」
    「怪力姉妹ですねえー。」
    「・・・否定はしないけど、ちょっとムカつくね。」

    「とりあえず武器待ちですかー? だったら何か食べませんー?
     私、朝食まだなんですよー。」
    「スコーンやパウンドケーキ程度ならあるけど、それで良いかい?」
    「わーい、そういうのが良いんですー。」

    お茶の用意を一切手伝わないアッシュを
    ローズはまったく気にしない。
    あたしの大事なティーセットを割られたら大変だしね。

    「そういや、あんた、食堂で皆に慰められたらしいね。
     良かったじゃないか。
     でも、よく思ってないヤツもいるよ、気をつけな。」
    「5人に好かれりゃ5人に嫌われる、ってのが世の摂理ですもんねー。」
    「・・・あんた、時々ものすごく図太いよねえ。」
    「えへへー、恐れ入りますー。」
    「褒めてるわけじゃないんだけどねえ。」

    お茶やらケーキやらクッキーを食べながら、たわいもない話をした。
    「何か、私ら、いっつもお茶してませんー?」
    「あんたの国はどうだか知らないけど、この国はそういう習慣なんだよ。
     何かあれば、お茶お茶さ。」
    「そういや、私の国にも茶道ってありますけど
     お茶って全世界共通の交流の儀式なんですねえー。」

    どこにでもある、昼下がりのお茶会の風景だったが
    そんな悠長な事をしている場合ではないのは、ふたりともわかっていた。
    館攻略は、まだ1mmも進んでいないのだ。

    3時間ほどで、バイオラが戻ってきた。
    望み通りのアームガード付き3段警棒を持って。

    アームガードは皮で作られていて、肘から手首手前までの長さ。
    警棒は、その外側にベルトで固定されており
    腕に固定するベルトが、更に3本付いている。

    しばらく3人でその武器をいじくり回して、キャアキャアはしゃいでいた。
    これも対象物が武器じゃなかったら、微笑ましい光景なのだが
    この世界全体が歪んでいるので、萌えアイテムも微妙に危ない。

    アッシュがアームガードを腕に巻き、言った。
    「さあ、出陣しましょうー!」

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 15 09.10.9
          ジャンル・やかた 17 09.10.15

  • ジャンル・やかた 15

    目覚めたのは、翌日の夕方だった。
    昨日は何時に寝たのかわからなかったが
    確実に1日以上、眠りこけていたらしい。

    ズキズキと痛む頭でベッドに座っていると
    ドアがわずかに開き、目が覗き込んだ。
    「うわっ!」
    一瞬驚いたが、すぐにローズだとわかった。

    「あんた、よく寝ていたよ。 もう大丈夫かい?」
    という言葉で、ローズが何度も様子を見に来てくれていた事がわかる。
    そういう人を裏切れるか?
    もうイヤだと言って、失望させられるか?

    アッシュはベッドの上で土下座をした。
    「見苦しいとこを見せて、本当に申し訳ございませんでしたー・・・。」
    「いや、あんな場合はしょうがないよ。」
    ローズが慰めると、アッシュが懇願した。

    「でも、昨日のような事はもうイヤですー。
     それを上に伝えてくれませんかー?
     私、子供、大っっっ嫌いですけど、たとえ危険な子供でも
     暴力を加えるなど、考えたくもありませんー。 お願いしますー。」

    再びお辞儀をするアッシュに、ローズは言った。
    「上に言っとくよ。
     今回の事で、上も判断がついただろうしね。
     ただこれ以降は、手だれが襲ってくると思うよ。
     あたしは武器の調達をするから、あんたは今日も体を休めときな。
     飯を食って、風呂にも入って、洗濯もすれば良い。」

    「では、お言葉に甘えますー。」
    アッシュが入浴の用意を始めたのを見届け、ローズは部屋を出て行った。

    風呂に入っても、洗濯室に行っても
    アッシュの脳裏から、やられた敵の姿がうめき声が離れない。

    洗濯物を乾燥までセットして、食堂に行った。
    食欲がなあ・・・と、カウンター上に並んだ料理を見ると
    何と、炊いたご飯がボウルに山盛りになっていた。

    「ああーーーーーっ、これーーーーーーーっっっ!」
    ホカホカご飯を見つけたアッシュの目に、涙が溢れてきた。
    「許可が出て良かったね、嬢ちゃん。」
    ニコニコして声を掛けてきたウエイトレスに
    「ありがとうーーー」
    と、アッシュは号泣した。

    ショック続きで、涙腺が緩んでいたのもあって
    単に泣きグセがついていただけだが
    それが、人々の目には純粋に映っていた。
    これは割とラッキータイムである。

    ヒックヒック言いながら、ご飯と卵を食うアッシュに、周囲が
    「大変そうだね。」「頑張るんだよ。」
    と、チヤホヤと声を掛けてくれる。

    周囲のこの応対の変化が不思議ではあったが
    今のアッシュには、自分への強い肯定に思えた。

    「そのライス、ニッポンではパンと同じと考えるらしいぜ。」
    「ニッポンフードって太らないらしいね。」
    「そうそう。 ニッポン人は皆痩せてるんだって。」
    「美味しくて健康にも良いらしいよ。」

    あちこちのテーブルで、ご飯を試しながら盛り上がっている。
    「食べてみたいねー、ニッポンフード。」
    「街じゃ高級レストランでしか食えないしね。」
    「嬢ちゃん、料理人に食べやすいニッポンフードをリクエストしてくれよ。」
    この食堂が和気藹々とするのは、珍しい事であった。

    「皆ありがとうー、これからも精一杯頑張りますー。」
    と、おまえは一体どこのアイドルだよ? みたいに手を振りながら
    食堂を出るアッシュを、何個もの暖かい目が見送った。

    部屋に戻ったアッシュの目には、力強い光が宿っていた。
    私、何を悲劇ぶっていたんだろう?
    人が次々に死傷するのを見た衝撃で、自分を見失ってたとしか思えない。

    私は一応善人だけど、元々平和主義者ではなかったじゃないか。
    何もせずに死ぬのなんて、冗談じゃない。
    こっちから喜んで殺して回ってるわけじゃなし
    殺しに来たのなら、殺して帰すのは当然じゃん。

    兄ちゃんは安らかに眠れ。
    どんなに罪悪感にさいなまれようが、死んでしまったら終わり。
    私は生き残って、それを乗り越える!

    アッシュは勢い付いて、かなり非道な思考を展開させていた。
    確かにこの状況の自己正当化は、この類の考えしかない。
    が、同時に他の部分でモヤモヤとしていた。

    ・・・・・・・・何か忘れてるような・・・・・・・
    あっっっっっ、洗濯!

    慌てて洗濯室に向かったら、食堂ではまだ日本食の話題をしていた。
    「スシ、テンプラ、スキヤキ、だろ?」
    「無知だね、それは観光用の “ワショク” って言うんだよ。
     ニッポン人が普段から食べているのが
     健康に良いニッポンフードなんだよ。」
    「ショウユ、ミソ、アンコ、って言う調味料を使うんだろ。」

    ああーーーっ、微妙に惜しい! と思いつつ
    食堂の前を素通りし、洗濯物を抱えて部屋に戻った。

    アッシュはこの館に来て初めて、ゆっくりと眠る事が出来た。

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 14 09.10.7
          ジャンル・やかた 16 09.10.13

  • このブログの使い方

    いつも言ってることだが、自分の脳内のデフラグをするために
    書き殴っているのが、このブログの本来の目的である。
    私の脳内、ほんっと思考が入り乱れてグチャグチャなんだよー。
     
    だから、いたらん事、あくどい事も書いている。
    これでも “公共の場” だから、と気を遣っているのに、だ。
    だけど、それが “私” だから、しょうがない
    と、批判も罵倒も甘んじて受けている。
     
     
    だけど、そうこうやってる内に、違う感覚も出てきた。
    このブログにコメントを書いてくれる人の意見が
    もんのすごーーーーーーーーーーーーくタメになるんだ。
     
    知らない事を教えてくれるし、間違いは訂正してくれるし
    同意や褒め言葉は、励みになってやる気が出るんで
    何よりもどんどん来てくれ! と思うし
    反論は、そういう意見もあるのか! と、驚き、勉強になる。
     
    そしてどこのブログでも問題になる、批判や罵倒
    これも私にとっては、ショック + 驚き + 学習 になるんだ。
     
    「バカじゃねえ?」 などの1行コメントや
    意見を書いていても、「死ね」 とか 「キ○ガイ」 とかの
    用語が入っているコメントは、残念ながら消さざるを得ないんだけど
    消す前にちゃんと読んでいるから大丈夫だぞ。
     
     
    自分でも自分の記事は、どうだかなあ、と思う事も多々あって
    それをインターネットという公共の場に書くのはどうか?
    という迷いが、最初からずっとあった。
    迷っていながら書き続けるのは、私の図々しさなんだが
    ほら、どんどん表現が柔らかくなってるじゃん、それ、迷いの表れなんだ。
     
    だけど最近、この迷いがなくなりつつある。
    (そしたら、こっちのもんだ! と、図に乗りかねんのが私だが。)
     
     
    ネットは公共の場じゃん。
    でも、見る見ないは自分で選べるわけだ。
    ついうっかり見ちゃって腹が立つ、って場合がほとんどだろうけど
    そういう時は反論してくれれば良いんだよ。
     
    その場合のコメントは、コメントのルールに書いたように
    「全部がそうじゃない」 ってのだけはやめてくれ。
    そう言いたい時は、「私の周囲ではこうだよ」 と言う風に
    良い面を披露した方が、説得力があるよ。
     
     
    これを考え始めたのは、実は罵倒意見を貰ってからなんだ。
    リアルでは罵倒なんてされた事がないんだよ。
    叱責や説教は、誰よりも多くされてるんだが
    「死ね!」 なんて、言われた事がなかったんだ。
     
    書かれたショックって、ものすごいものだったんだよ。
    ほんっとに、頭から血がサーッと下りるって感じだったし、目まいがして
    心臓がドックンドックン鳴って、息苦しくなって、手が震えるんだ。
    思わず、安定剤を飲んでちょっと横になったよ。
    そんで食欲もなくってさ、吐き気がするし。
     
    言葉のパワーって、ものすごいものなんだな、とよくわかった。
    だから自分が書く内容にも、ものすごく不安になった。
    無意識に誰かを傷付けてるんじゃないか? と。
     
     
    だけど、こういう経験って中々できないものなんだ。
    日常の人間関係では、批判や罵倒は陰でしかされず、耳に入らない。
    これって稀有な体験だな、と気付いたんだ。
     
    もちろん罵倒されたいわけじゃねえぞ。
    慣れてきたとは言え、今でもズキッとするんだぞ。
     
    だけどな、それも個人の意見なんだ。
    禁止用語や1行罵倒は消すけどな。
     
     
    私が書く意見
    その意見に同意する人の意見
    その意見に反論する人の意見
     
    全部、世界のどっかに実在する人の一個人の意見で
    それはよっぽど親しい間柄じゃない限り、聞く機会がない貴重なものなんだ。
    気軽にこれらを読めるって、凄い事じゃないか?
     
    重い意見、軽い意見、正しい意見、間違った意見、どれでもない意見
    そんな様々な意見を読んで、取捨選択して
    自分がどういう考えを持つかを、自分で決めれば良いわけだ
     
    私はネットを、そしてここを、そういう場所だと思っている。
    くっだらん私の意見も、だから書く意味がある。
    私のつまらなさを誰かが打ち消してくれるであろうから。
     
     
    誤解しないで欲しいのは、これはコメントを書いてくれ、って事じゃない。
    読んだ人は、わざわざコメントを書かなくても
    各々の脳内でそれをやっているだろう、と考えたんだ。
    「あー、こいつはそういう考えなわけねー。」 みたいに。
     
    なんで、これからも堂々と自分の意見をここに書こうと思っている。
     
     
    なお、携帯でここを読んでくれている人もいて
    よくわからんが、携帯だと出ない項目もあるらしい。
    新着コメントとか、プロフィールとか?
     
    ここさ、新着コメントが右の方に出るんで
    どんなに古い記事にコメントをしても、わかるんだよ。
    だから返事が出来るんで、心配はいらない。
     
    ただ、(ここじゃありえないけど)
    10個以上のコメントが1日で付いた場合
    見落とす事もあるんで、その時は怒ってくれ。
    出来るだけ見落としがないよう注意してるけど、ほら、“私” だし。
     
    ほとんどの記事は、本文に関係のない雑談をして良いんだけども
    通りすがる人が主役のお便りコーナーと、人生相談と
    一応、余韻を大事にしたい、小説の最終回だけは
    内容に沿ったコメントをお願い。
     
     
    注意事項が書いてある記事を貼っとくよ。
     
    このブログの使用法 
     

  • ジャンル・やかた 14

    体が重くて、アッシュは中々ベッドから起き上がれずにいた。

    夕べは睡眠導入剤だけじゃ眠れなくて、安定剤も飲んだしなあ
    そんな薬の飲み方をしたら、すっげー体がダルいんだよなー。
    アッシュはそう判断したが、心身ともに疲れているのが原因だった。

    兄ちゃん、お酒に逃げていたんかもな。
    ああー、酒飲みの気持ちがちょっとわかる気がするー。
    戦いのストレスは、アッシュの想像以上に大きく
    無意識にそれを認める考えをしていた。

    アッシュは飲酒はしないが、薬に逃げるタイプである。
    薬好きで、専用のポーチを持ち歩いている。
    だがアッシュはオーバードースは決してしない。
    薬は気合いで効かせるもの、適量で効かなければすっぱり諦める
    それがアッシュの信念だった。

    アッシュは全体的に、“信念の人” であるが
    それが自分を追い詰める作用をする事も、多々あったのは悲劇である。
    いや、本当の悲劇はこれから始まろうとしているのだ。

    今日はこっちの4階と2階に行かなければ・・・
    重い体を起こして、アッシュは顔を洗いに向かった。

    考えに考えて出したやり方は、結局各階を巡る、という
    ごく普通の方法であった。

    地下の設備に近い場所に、本拠地を構えるのが普通だと思うんだが
    ペントハウスってのは最上階にあるもので
    VIPはそういうとこに住まないか?
    あるいはそんな推理を見越して、中途半端な階に据えるかも知れない。

    考えれば考えるほど、“もしも” のワナにハマっていくので
    短気を起こして、シラミ潰しの方法を選んでしまったのは
    過去の相続者と同じ道をたどっているという事に
    アッシュは気付いていない。
    正直、アッシュはアホウであった。

    北側4階の部屋のドアを開けて良いか、ローズに訊ねて
    南側と同様に断られ、そこが居住区だと確認できたアッシュは
    娯楽室だけを覗き、2階に向かおうと提案した。

    娯楽室にいた2人の男性の目付きから
    皆のアッシュを見る目が変化している事を知ったローズはさえぎった。
    「ちょっと待ちな。 2階に行く前に私の部屋に寄ろう。」

    ローズはアッシュをソファーに座らせて、寝室の棚を漁った。
    「これしかないけど、とりあえず持っときな。」
    手渡されたものを見て、アッシュは喜んだ。
    「すっげー、これ鉄板ガード入りじゃないですかー。
     ハードグローブってやつでしょー?」

    「あんた、妙に詳しそうだね。」
    ローズが呆れ気味に言うと、アッシュがムッとした。
    「一般常識ですよー、これ、スワットの標準装備なんですよー?」
    「・・・知らないよ、そんな事・・・。」

    ローズのつぶやきを意に介さずに、そそくさとグローブをはめ
    手を振り回しながらアッシュが言った。
    「うわ、鉄板って重いですねー。 私の筋力じゃ無理かもー。
     パンチのスピードがまったく出ないー。
     ま、ヌルいパンチだから重みが出た方が良いのかもだけどー。」

    数回素振りをしただけで
    「ああ・・・、もう腕が上がらないかもー。」
    と、ソファーに倒れ込むアッシュに、情けなさを感じるローズであった。

    2階に下りて行き、ドアを開けて良いか訪ねた時の
    気をつけな、の返事に、来るべき時が来た、と
    アッシュは心臓がドクンと鳴ったのを感じた。

    手が震えて、ドアレバーを上手く掴めない。
    ローズが見かねて、手を添えてドアをそっと開けた。

    部屋の中央に小さい影が見えた。
    それは手に包丁を持った子供の姿だった。
    アッシュがフリーズする間もなく、ローズが部屋に駆け込み
    それがどういう展開を意味するのか、理解したアッシュは
    とっさに部屋の前から離れた。

    物音がして、出てきたローズにアッシュは非難の目を向けた。
    ローズはわかっていたかのように、それを見るでもなく怒鳴った。

    「よく聞きな、しょうがないんだよ、敵である限り!
     子供が一番恐いんだよ、わかるかい?
     天使のような表情で同情を誘って、ブッスリだ。
     あいつらは小さな体でどこにでも潜める。
     テーブルの下に隠れて、膝の裏を斬られるかも知れないんだよ。
     やらなきゃ、こっちがやられる。
     現実は理想とはまったく違うんだよ!」

    それでもアッシュの表情は変わらなかった。
    ローズは溜め息を付いて、語りかけるように続けた。
    「殺しちゃいないよ。
     殺す必要はないんだ。
     そりゃ運が悪けりゃ死ぬかも知れないけど
     その時に戦闘続行不能にすれば良いんだよ。
     今までの戦いだって、死んだのは最初の男だけなんだよ。」

    アッシュは無言でローズを見つめていたが
    自分にローズを非難する資格はない事は、よくわかっていた。
    だったら自分のこの態度は、ローズにとって酷い行いである。

    そこまでわかっていても、どっかに何かが引っ掛かっていて
    それがアッシュの心臓を締め付けているのだ。

    無抵抗で死ぬ・・・・・?

    以前にローズが怒った時に言った言葉が、アッシュの脳裏に浮かんだ。
    果たしてその決断が出来るのか、迷っていた。

    その時に横で動く影が見えた。
    ローズとアッシュが、同時にその方向を見た。

    少女が立っていた。
    服装も髪型も、アンティックドールのようだったが
    何故か全身が茶色い粉にまみれている。

    アッシュを視認した少女が、突然、耳障りな金切り声を上げた。
    反射的にアッシュは、少女を蹴り上げていた。

    最初に “何故?” と自分に訊いた。
    体が勝手に動いてしまったのだ。
    生きてる・・・よね?
    でもそれを確認できない。
    少女の存在自体が恐いのである。

    さもわかった風に、モラルだの思いやりだの言ってても
    結局それは安全圏の中でしか保てない、もろい道徳だったんだ。
    風が吹いたら舞うような、軽い倫理観、軽い価値観、軽い考え
    軽い軽い人生だったんだ。
    それを、さぞ必死に生きてきたつもりになって・・・。

    自分の身が危ないとなると、手の平を返して本性を出す。
    私の本性って、こんなんだったんか?
    何よりも、まず自分 だったんか?

    すべてが覆ってしまい、自分の何もかもが薄汚いものに思えてきて
    どうしたら良いのかわからず、指1本すら動かせないアッシュの
    尋常ならぬ様子に、ローズはこう訊くしかなかった。
    「大丈夫かい?」

    むろん反応はないが、アッシュの葛藤はわかる。
    多分こいつは、弱い者に暴力を振るった自分が信じられないんだろう。
    でも、このままここにいたら危ない。

    「ほら、部屋に着いたよ!」
    そう叫ぶローズに、頬をバシバシはたかれて、アッシュは我に返った。

    いきなり自分の部屋にいるのが、わからなかったが
    フラフラとバッグのところに行き
    震える手で、ポーチのチャックを開けようとした。

    「何だい? これを開けるんかい?」
    ローズがポーチを取り、開けて渡すと
    アッシュはその中身を全部床にバラまいた。
    それは大量の薬で、震える手でかき混ぜるアッシュの姿は
    まるで薬物中毒者のように見えた。

    見つけた薬を持つ手は大きく震えていて、とても役目を果たせそうにない。
    「これを飲みたいのかい?」
    ローズは1錠アッシュの手に握らせ、水を持ってきた。
    「ほら、飲みな。」
    アッシュの口に錠剤を入れ、水を飲ませる。

    床に座り込んで、呆然としているアッシュに
    まるでジャンキーだね・・・、そう思っても怯まなかったのは
    ローズにも選択肢が残っていないからであるが
    何より、アッシュを信じたいからなのが大きい。

    ローズは自らここに来て、ここで生きてきた。
    ここを否定される事は、自分を否定されるのも同然である。
    アッシュはそんな “ここ” に、馴染もうとしていた。
    それはローズ自身に同化しようとしているように思える。

    他の相続者にも、その傾向はあったのだが
    やはり、“知らずに来た” というのが、評価の底上げをしていた。
    その気もなく来たのに、中々出来ないよ・・・。

    座り込んでいたアッシュの目が動き、フウーと溜め息を付いた。
    「・・・30分経ちましたー。
     薬が効いてきたようで、ちょっと落ち着きましたー。」

    はあ????? 何だ、そりゃあ?
    ローズは顎が外れそうに、あんぐりと口を開けた。
    「薬って、大抵30分ぐらいで効くんですよー。
     これ、軽い安定剤なんですけどー。」

    ないないないない、それはない!
    と、ローズは否定したかったが、思いとどまる。
    聞いた事がある。 自己暗示・・・。
    それがこいつの乗り越え方なんだ、と気付いたからである。

    こいつの精神力の源は、自己暗示の強さなのだ。
    きっと薬はその道具でしかない。
    たった1錠で、それも30分で、あんだけの放心を取り戻すなど
    どんなに強い薬でも不可能だ。

    何というか、珍しい対処法だね。
    この奇行も、アッシュが “普通” じゃない証しで
    普通の能力じゃないアッシュは、主として大きな可能性を秘めている。
    こいつはまだまだだけど、主にふさわしいかも知れないね。

    ローズがここまでアッシュを擁護するのは
    アッシュというカギを否定するのは
    自分の未来をも潰す事になるからだ、という無意識の防御であった。

    「とにかく、もう今日はお休み。」
    「はい・・・。」
    アッシュの様子を見て、安心したローズは部屋を出て行った。

    アッシュはそのまま布団に入った。
    部屋着、外出着、とはっきり分けないと落ち着かない性格なので
    普段なら、これはありえない事である。

    もちろん眠りたくても眠れない。
    頭の中で否定的な考えがグルグル回る。

    アッシュの目から涙がこぼれ落ちた。
    「兄ちゃんは、こうなるのがわかってたんかも
     だから何もしなかったんかも。」

    うつぶせになって、ひとしきり泣いた後
    床に散らばったままの薬の山のところに行き
    探し当てた青い錠剤を2錠口に放り込み、水をガブガブ飲んだ。

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 13 09.10.5
          ジャンル・やかた 15 09.10.9

  • コメントのルール

    ブログを書いていると、時々罵倒コメントがつく。
    ユルユル基準の私的には、罵りも荒らしもエロサイト広告も
    来てくれた記念として、出来る限り残しておきたいのだけど
    罵倒用語が入っていると、“風紀に好ましくない” と指摘され
    それに納得したので、消すようにしている。

    この罵倒コメント、受けるとかなり傷付く。
    マジで動悸や目まいがして、手が震えるのだ。

    だけど同時に、私も気付かずに
    人を傷付ける事を書いているのかも知れない。
    現に傷付いたので反論に来たけど、適切な言葉が見つからずに
    感情のままに罵ってる場合もあるだろうからだ。

    それに、そういう人々はとても親切だと思うんだ。
    私の場合、本当にイヤなものは無視をする。
    反応、というのは、どんな形でも
    そこに愛があろうとなかろうと、相手を成長させるからだ。
    嫌いな人に、そんな手助けなどしたくもない。

    無視すりゃ済むものを、わざわざ書いてくれる。
    その言葉が私の心にどんな傷を付けようと、結局私はそれを糧にしている。
    自分でも知らない内に、ちょっとずつ強くなっている事を後で知る。

    生きていると、ある日ふと気が付くんだ。
    クヨクヨしているだけでも、いつの間にか打たれ強くなってる! と。
    どんな反応でも、してくれるだけありがたい、と
    本当に孤独になった時にわかる。

    年寄りのこういう自分語りは、よく聞いとけよ。
    このご時世、いつ何時自分もそうなるかわからんぞ?

    だから罵倒コメントも、孤独老人にはしみじみありがたいんだが
    私がコメント返しで 「誤解だ」 と訂正してもなお
    似たような事を書いてくるのは、それはもう荒らしである。

    コメントをするにもマナーがある。
    記事を読んで、脊髄反射のごとく思った事を書くのではなく
    最低でも、その記事についてる他のコメント
    こっちの要望的には同じ種類の記事を読んでから、書いてほしい。
    それにここ、プロフィールもあるんだぞ。

    このブログは、管理人ぷらちッの協力によって作り上げられた
    私のごく個人的な意見の場なので
    それに広い公共性と揺るぎない真実を求められるのは、正直辛い。
    だがそれは、読む側も心しておくべき暗黙の了解である。

    いちいち 「全員がそういうわけではない」 とか、注釈せにゃならんか?
    個人の経験上で個人の人生で決め付けがあるのは、しょうがない事。
    それを表立って言うからには、反論は覚悟しているけど
    「皆が皆そうではない!」 という、わかりきった定型文はいらん。
    「私の場合は」 といった、経験談での自分個人の意見を言ってほしい。
    これが私がコメントに望む最低のルールだな。

    特に地域ネタにこういう反応の傾向が強いけど
    そもそも、抽象的な事で感情的に怒ると、より一層評判を落とすものだ。
    こんな良い話もあるんだよ、と紹介した方が、好意を持たれる。

    私は愛を持って書いてるから、悪口と捉えられるのは
    ひとえに私の文章力のなさのせいだろうけど
    コメントで訂正したら、それを信じてくれ。
    しまいにゃ、何か? 作文がヘタだとブログをやっちゃいかんのか?
    という、とんでもない人権主張まで持ち出すぞ。

    にしても、同じ文でも、受け取り方は人様々で
    私も気をつけて書かないといけないな
    ・・・・・とは思わない。

    どこの村でも、イヤな事を言うヤツはハブられるわけで
    私が村八分に遭ってないのは、賛同してくれる人もいるって事で
    それならそこで自分の捉え方を見直してみるのが、道徳的に正しい態度だ。

    あっっっ!!! これで言うと、私も書き方には注意すべきか!
    うわ、すんげえ反省してるよ今ーーーーー。

    私の場合、こういう事がよくあって
    これがブログを書いていて、得られるもののひとつなんだ。
    こんなん、普通は脳内のみでやっとるんかも知れんで
    周囲に迷惑をかけて、やっと得る私はバカそのものなのかもで
    ほんと申し訳ない事だが、真面目に感謝をしている。

    よくわかった。
    私も注意しつつ書いて、突っ込まれたら己を省みる。