• ジャンル・やかた 3

    「あんたはここで寝泊りしな。 グレーもここにいたんだよ。」
    ローズは天井のライトを点けた。
    「こっちがバストイレ、お茶はこのコンロで。 飯は食堂で。」

    部屋はイメージ的には、こげ茶色の書斎、って感じ。
    天井まで5mぐらいの高さがあり
    その中ほどぐらいまで、荷物が積み上げられている。
    机、椅子、テーブル、ソファー、ベッド、タンス大小4つ
    と、一通りの家具は揃っていた。
    机の上にはパソコンも置かれている。

    リュックとボストンバッグに、ショルダーバッグを
    ベッドの上に置いた時に、ふと気付いた。
    よくこの荷物を持っていたな、と。
    忘れてきても無理ない状況だったのに
    やっぱ私ってしっかりしてるよな、とフフッと笑った。

    それをしっかり目撃したローズは、ゾッとした。
    アッシュの言葉や仕草、反応、そのことごとくが
    ローズには理解できなかったからである。
    最初に見た時には、いかにも頭の弱そうなお嬢ちゃんだと感じたのに
    外国人だからだろうか? と、ローズは首をひねった。

    ソファーにどっかりと腰を下ろしたアッシュが
    いかにも知的そうなそぶりで訊ねる。
    「で、鎌・・・ローズさん
     私はどういう立場に置かれているんでしょうー?」

    「あんた、さっきっから、鎌って言ってるよね? 鎌って何なの?」
    「・・・鎌・・・」
    アッシュはローズの右手に握られた鎌を指差した。

    「あ? ああ、これは草刈り用だよ、失礼だね!
     私の武器はこっちだよ。」
    ローズはスカートの背にはさんであった大鋏を取り出した。
    アッシュは果てしなく引き潮に乗った。

    「クロックタワーのハサミ男ー?
     もしかしてこっちが悪役とか言う設定なんですかー?」
    「あんたの言う事がほとんどわかんないんだけど?」
    イラ立つローズに、アッシュは謝った。
    「今のはゲームの話なんですー。
     すいません、いつもはこうじゃないんですけど
     何かもう、パニくっちゃってー。」

    「まあ、それなら無理もないよ。
     いいさ、ちょっとぐらいわけのわからない言動をしたって。
     泣き喚かれ続けられるより、よっぽどマシだしね。」
    ローズはちょっと安心した。
    ホラーだのゲームだの、こいつは多分フリークというやつなんだろう。

    「あんたの訊きたい事はわかる。
     あんたは兄から、この館の相続権を譲り受けようとしてるんだ。
     それを受けるには、この館のどっかの部屋に行って
     館の主に会わなきゃいけない。」
    「アドベンチャーだったんですかー・・・。
     さっきの通り魔は何なんですかー?」
    「この館に何人の人がいるのか、正確にはわからない。
     でも、いるのは、あんたにとって3種類。
     敵、味方、どっちでもないヤツ。
     さっきのは通り魔じゃなくて、敵。 はっきり目的を持った敵。
     あんたを阻止しようとしてるのさ。」

    ありがちだな、とアッシュは思った。
    おそらく、ローズは自分の守護者なのであろう。
    「で、あなたは味方なんですねー?」
    「よくわかってるじゃないか。
     私は本来なら今回は違うはずだけど、あんたの兄さんに頼まれてね。
     しょうがないから、あんたを守って手助けしてやるよ。」

    「でも、その “阻止” とか、“手助け” とか、殺人ですよねー?
     さっきひとり死んでましたよねー?
     それ、普通なら罰せられると思うんですがー。」
    「あんた、ホラー好きならわかるだろ。 ここは治外法権なのさ。
     誰が死のうと、逮捕も裁判もないよ。」
    鼻で笑うローズに、アッシュがつぶやいた。
    「でも、罪悪感はー・・・?」

    ローズはいきり立った。
    「そういうセリフは、生きてここを出られた時にぬかすんだね!
     罪悪感がイヤなら、無抵抗で死ぬがいいさ。
     あんたが死ねば、私もこの役目から解放されるってもんだ。
     代わりに戦ってやろうと言ってる人間に対して
     何もしないあんたが何を責められるっていうんだよ
     そういうのを口先だけのキレイ事って言うんだよ
     私を怒らせたら困るのはあんただよ! わきまえな!!」

    うわっ、自称世界の警察国家理論!
    アッシュはそう思ったが、これ以上逆らうのは確かに得策ではない。
    多分、クリアせずにこの館を出る事は出来ない。
    何かもう、この上なく理不尽な巻き込まれ方をしているようだが
    明らかに自分の道は、生き残るか死ぬかの2つしかないのだ。
    ・・・緊急避難・・・に、適用されるよね・・・?
    プラス、脅迫、強要、この両方でいけるかも知れない。

    生と死の狭間にあっても、法的処遇がまず頭に浮かぶ自分は
    近代国家に暮らす真っ当な国民だな、と誇らしくもあって
    再び知らず知らずに口元が緩んでいた。
    やはり、あまりの出来事にちょっとどっかが壊れたのかも知れない。

    こっちが激怒したっていうのに、よそを向いてニタニタ笑うアッシュに
    嫌悪感を感じ、一刻も早くその場を立ち去りたくなったローズは言った。
    「とにかく今日はもう、休むんだね。
     飯は食堂にあるよ、ここに居住区の見取り図が貼ってあるから。
     私は食堂か自分の部屋にいる。 用が出来たら声を掛けな。」

    「あ、はい、どうもお世話になりましたー。」
    アッシュは深々と頭を下げたが、それを見てローズは
    益々、ヘンなヤツだとしか思えなかった。

    ローズが部屋を出て行った後、アッシュはバッグを開けた。
    携帯電話を取り出し電波を確かめたが、やはり圏外である。
    ボストンバッグの方から充電器を出し、コンセントを探したら
    机の下にタコ足気味なのが転がっていたので、それに差し込んだ。

    次に、タンスの扉と引き出しを全部開ける。
    こういのは下から下から、と、どこまでも遊び半分に見えるが
    アッシュはアッシュなりに真面目なのだ。

    タンスには、多数の男物の衣類が入っていた。
    その中に、見覚えのあるセーターが入っていた。
    これ、多分お兄ちゃんのだ・・・。

    何かというと、ウンチクをたれるヤツで
    このセーターの時は、確かアルパカの産地について何か言っていた。
    聞き流したので、キレイさっぱり覚えていないのが
    兄不孝をしたような気がして、ちょっと落ち込む。

    その兄が死んだという知らせは、今でも信じられずにいた。
    両親が他界してから、しばらく連絡が取れてはいたのだが
    いつの間にか音信不通になり、気が付くと連絡不能になってしまい
    元々地に足のついていないヤツだったし
    どっかで浮浪者でもやっているんだろう、と諦めてはいたのに
    まさか訃報が届くとは、そこまで想像はしていなかったのだ。

    それが本当なら、私は天涯孤独になっちゃったんだよな・・・
    ちょっとウルウルときそうになり、慌ててその感情を打ち消す。
    いや、死ぬのを見ていないのなら、死んだと認識しなくて良い!
    今も兄はどっかでフラフラやっている、と思おう。

    今はとにかく、感情より現実!
    少しでも多くの情報を集めなければ。
    アッシュは、パソコンの電源を入れた。

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 2 09.6.18
          ジャンル・やかた 4 09.7.2

  • 病後の後遺症

    やっと体の調子が戻った。
    1ヶ月ほど寝込んでしまうなど、何年ぶりだっただろうか。

    さすがに体力がゴッソリ落ちてしもうて
    それは当然の事なんで、別に驚きはしないんだが
    参るのが、やる気が出ない事。

    普通さ、病気が治ってくると、ソワソワと片付けとか
    意味もなく動きたくなってくるじゃん。
    まだ寝てなければいけないのに。
    それが今回はなくて、体調が元に戻っても動きたくないのだ。
    もう、どこまで心身ともにやられてんだよ、って感じで
    ちょいウツ気味なのである。

    誤解を避けるために、説明するが
    ウツと言っても、私が言うのは本当のウツではなく
    気分が沈んで落ち込みが続く、程度のものである。
    何もやる気が出ない、ってだけの、たまにある状態。

    まあ、これもウツの初期症状なのかも知れないので
    この状態が1ヶ月ぐらい続いている人は
    速やかに病院に行って治療をする事をお勧めする。
    ちょっと時間は掛かるだろうけど、必ず治るから心配すな。

    ウツは誰でもなる病気だと言われているけど、そうじゃない。
    真面目できちんとした良いヤツほど、なりやすいと思う。
    (何故か私はウツ診断は下されなかったが・・・)

    私の場合のウツ (偽) 状態の判断基準は、メイクである。
     絶好調  → マニキュアまできっちりと全身スキなし
     好調   → 気合入れまくり厚化粧
     普通   → 普通の化粧 (実は一番バランスが良い)
     やや不調 → 最低限の身だしなみ程度
     不調   → 日焼け止めとベビーパウダーのみ
     絶不調  → すっぴん帽子マスクにサングラスの犯罪者コスプレ
     ウツ(偽)→ すっぴん もう隠す気にもならない
    実践では、こういう分類である。

    絶好調から絶不調の通常の日々の習慣では
    美容雑誌を読んでは、メイク法の脳内シミュレーションをしたり
    欲しいコスメをリストアップしては、財布といがみ合ったりするのだが
    ウツ (偽) ゾーンに入ると、美容雑誌すら読む気がしなくなる。

    化粧品に萌えない私は、生ける屍も同然なので
    もちろん他の趣味もやる気がせず
    何だか時間が経つのが妙に遅く感じ、余計に辛い。

    これをどうやって打破するかというと
    今までの経験上は、裕福なら買い物に走り
    貧乏なら、TVゲームに助けてもらっていた。

    よって貧乏真っ最中な今回は、ゲーム頼りで
    めぼしいソフトをネットで注文してみたが
    これが中々来なくてイライラ、というストレスまで追加された。
    攻略本は購入済みで、インデックスまで貼って
    マーカー引いて予習までしとるっちゅうに
    何でさっさと送ってこないんだよーーーーーーーー!!!!!

    それはさておき、ここでひとつ大きな不安がある。
    若かりし頃はそりゃもう、徹夜続きでゲームに熱中していて
    始めたら、どのゲームも絶対にクリアする!
    という義務を己に課していたのだが
    歳を取って、何を根気をなくしとんのか
    途中で投げ出して積み上げてしまったゲームが多数あるのだ。

    もうゲームいっちょマトモにハマれないんじゃないだろうか
    そうなったら私の人生、砂を噛むような空しいものじゃん
    と、恐れているのだが、ゲームにそこまで支えられた人生っちゅうのも
    何かヒトとして大間違いじゃないかという気もしてならない。

    まあ、ウツ (偽) 期なんで、何をどう考察しても
    ロクでもねえマイナス思考にしかならないのだが
    このマイナス思考、ほんっと役立たずでしかない。

    同じマイナス呼ばわりとして、マイナスイオンでも出してくれりゃ
    お部屋の空気も清浄になるというに。
    マイナス思考って、何かものすげえエネルギーのムダ使いだと思う。

    エコじゃねえよな。
    エコじゃなくても良いんだけど、エコじゃないと罪悪感があるよな。
    時代に洗脳されてしまってるよな。

  • 胃と、“噛む”

    去年の食中毒以来、胃薬を処方され続けている。
    胃の調子が良いから、と飲むのを勝手に止めると
    しばらくしたら、また胃の調子が悪くなる。

    どういう症状なのかというと、多分、胸焼け?
    膨満感って言うんか?
    空気が詰まったように胃が張って、食後に吐き気がするんだ。
    これを放置すると、食物が喉を通らなくなる。
    食欲がないのではなく、飲み込めない、という感じ。

    過去に、吐き気には苦労させられたんで
    一生こうなんだろうか? と、割と絶望して
    主治医に 「胃薬が一生手放せないんですか?」 と泣きついた。

    普通、こういう泣きを入れられても困るだろうけど
    マイ主治医は、常に笑顔でとても人当たりが良いけど
    決して自分の意見は、人に否と言わせない圧迫感を持つ
    海千山千ジジイなので、そこは上手くあしらってくれるのである。

    主治医曰く、胃酸過多になっているから
    調子が良くても薬は飲め、と。
    老化でその内、胃も衰えて酸も出さんようになるから
    あと “数年” だけ我慢せえ、と。

    ・・・まあ、それならば良かった・・・。

    って、このクソジジイーーーーーーーーーっっっ!
    私が更年期更年期訴えても、「まだ早い」 と
    笑って取り合ってくれないくせに
    関係ないとこで何気にババア扱いしとるじゃねえかい。

    って感じだが、ヤリ手ジジイに逆らうスキルは持ち合わせてないので
    大人しくしておくよ。

    で、“噛む”。

    私はものすごく噛んで食うタイプであった。
    噛まないと唾液が出ず、胃に負担が掛かるそうな。

    なのによく噛んで食う習慣にも関わらず、胃は悪いままだったし
    よく噛んで食うと満腹感が出る、というダイエットの鉄則を聞いて
    確かにゆっくり食うより、急いで食った方が量が食える
    こりゃ太りたい私は、噛んでる場合じゃないかな、と思ったが
    これって、アホウ過ぎる考えだと自分でもわかったから
    実践しようとは思わなかった。

    ところが最近歳のせいか、あまり噛めなくなった。
    何を短気になっとんのか、悠長に飯を食う余裕がなくなったのだ。
    食っててイライラしてくる。
    ただでさえ義務で食っとんのに、それに余分な時間を取られたくない。

    その上に、喉や食道のどこがどう老化してるのかわからんが
    ガッつくと、ムセるは、飲み込めないは、食いこぼすは
    とても見苦しい事になってしまっている。

    こんなこっちゃ、上品な老婦人への道は険しく
    私の死因は絶対に、“喉にモチを詰まらせて” になるであろうから
    意識して、粛々と飲食に勤しんでいるのだが
    食事時間が苦痛でしょうがない。

    何でこうなったのか、さっぱりわからんが
    たまに一緒に食事をしたくないレベルの
    マナーの悪いお年寄りがいるだろ。
    このままじゃ私の未来形は、正にあれだと予想されるので
    狼に育てられた少女が、初めてフォークを持って食事をした時のごとく
    むっちゃくちゃ気を遣いながら
    ひとりテーブルマナー教室を繰り広げているので
    残念な味付けの飯が、より一層不味くてしょうがない。

    結論として、よく噛もうがガッつこうが
    胃の状態も体重の状態も、何ら変わらんので
    よく言われるこの2つの関連性は、私の体質には都市伝説で決定。

    というか、この2つはごく当然の事実だろう、とは思うが
    私的にはこれ以前に、もっと重要事項があるような気がする。
    だけど体調の足を引っ張らないように
    よく噛むのは、やはり大事であろう。

    余談だけど、てか、このブログ全部が余談でしかないんだけど
    そんな的確な突っ込みは聞きたくないんで受け流すけど
    歳を取ると、距離感とかが狂い始めるのがよくわかる。

    以前からコップを取ろうと突いてしまい
    キーボードをコーヒー牛乳まみれにしたりはしていたけど
    それがどんどんグレードアップしてくるんだよな。

    お皿を取ろうとチョップしたり、箸でお椀を引っ掛けたり
    もう食事風景が、どういう大惨事の真っ最中なんだ? って感じだよ。
    若けりゃ、これもドジっ子扱いで済んでいたろうにのお。

    出来る限り外食は避けているさ・・・。

  • 日本擁護

    私的怒りのツボというのが、何となくわかった。
    そんなに国のためにはなっていない、単なる平民だけど
    日本の事を悪く言われると、腹が立つようである。
    あまり愛国心などなかったはずなのに、自分でも不思議だが
    他の国にガタガタ言われるのに、いい加減嫌気が刺しているのだろう。

    特に経済大国とかの面で非難をされるのが、一番ピキッとくる。
    何故ならば、私の身近な人々で
    “適度” に仕事を出来ている人など、皆無だからである。

    「9時から5時 (17時) まで」 なんて、見た事がない。
    9時から20時21時、ヘタすると朝も8時から働く。
    毎日帰宅したら、風呂、飯、寝る、の繰り返し。
    日曜はグッタリで、余暇を楽しむ余裕がない。
    子供と遊ぶ時間が取れないから離婚、など、どこの世界の話だよ?
    うちの父親が私と遊んだ事など、数度しかないぞ。

    これは貧乏人も金持ちも変わらない。
    誰に言われずとも、空気を読んで歩き続ける。
    それをしないと、振い落とされる恐怖があるのである。

    こんなに自らにムチ打って働いている国民が多いのに
    何をしても、笑われる国ニッポン。
    ほんと日々のニュースにイライラする。
    ので、うっぷん晴らし。

    発展途上国とやらに言いたい。
    特に始まりの大地の西や中央や南にある国、
    おめえらんち、資源が豊富なのに
    その利を受け取っているのは、ほんの数人だろう。
    独裁を許してんじゃねえよ。

    そんなおめえらの国の富豪は、とんでもない大富豪だろう?
    国政がきちんとしてないから、表に出ないだけで
    おめえらんちの金持ち、日本にもいないケタ外れクラスなはずだぞ。

    日本は独裁だった時代はない。
    中央集権というのはあっても、必ず権力は複数あった。
    自我が未熟で、トップでも “みんな一緒” 意識が必ずあるから
    逆に言えば、突出した人物が育たず
    ひとりふたりが権力を握れる状況が作れないのだ。

    そして日本は税の徴収がしっかりしているから、あまり逃げられず
    だからこそ富の分配もなされている。
    資本主義とか言われるけど、福祉もロクにやっていないのに
    ここまで利益を分かちあっている国など、他にない。
    地球上で一番の共産国は、実は日本かも知れない。

    だからうちにあれこれ望む前に、自分ちのトップをどうにかせえ。
    ビル (ゲイツ) 以上の大金持ちが何人も隠れていると思うぞ。

    それからどこぞの伝統的特権階級意識国家、
    北斎返せ! 歌麿呂返せ! ついでにミイラも返してやれ!
    元首相が、日本人は働きアリとかぬかしやがったが
    移民を労働させといて、自分らは1ヶ月バカンスに行って
    働くヤツをあざ笑うって、しかも昆虫呼ばわりって、それ正義なのか?

    その口でどんな芸術を語ろうが、愛を歌おうが
    「名誉白人」 などと言ってる時点で、選民主義丸出しだろう。
    日本人は金で地位を買ってるわけじゃない。
    突進プログラムが組み込まれているだけなんだ。
    カラーズで結構、そんな評価などいらねえよ!

    最後に自称超大国。
    まず、そのムダにデカい車をどうにかせえ。
    “メガ” がつく食事量もちっと減らせ。
    日本の職場にドーナツは飛びかっとらん。

    この2つをしない内は、どんな話も聞く気にならねえ。
    “先進国としての責任” が同様にあるとしても
    どう見ても、この2つだけでも既におめえらの方が罪は重いぞ。
    何を地球の代表者ぶって、世界各国に首を突っ込んでるんだか。
    まず我が身を正せよ。

    そもそも “先進国” って何なんだよ? と思う。
    日本人は、ただきちんとしたいだけなんだ。
    毎日風呂に入れる環境になっても、多分おめえら入らんだろう?
    カツカツ掃除せんだろう?
    骨身を削ってまで、清潔で便利な暮らしを追求せんだろう?

    日本人は、全員一丸となって死の行進をする国民性なのだ。
    ペース配分を出来ずに、歩きながら倒れていくけど
    これを道化だと笑われたくない。
    エコノミックアニマルだと罵られたくない。
    それを否定されるのは、日本人のDNAの否定と同じだからである。

    私の知ってる日本人は、こうなんだ。
    これが正しいとは思わない。
    だけど、しょうがない。 それが自然体なのだから。

    あまり日本を追い詰めんでくれ。

  • 親子関係

    通常の状態なら、犬は犬の子を猫は猫の子を育てるわけだが
    人間だけは、自分と同種族の子を育てていないような気がする。

    トンビの親が鷹の子を育てながら
    うちの子は本当に良い子で、と喜ぶのは目出度いだけなのだが
    カバの親が豚の子に、何故おまえは泳げない?
    と言うようなのは悲劇である。
    この子は何でこれが出来ないのか、こういう風に育たないのか
    これを言い出すと、親も子も悩み苦しむだけになる。

    中には、白鳥の親が亀の子に向かって
    “私たち皆” には出来るんだから、あなたも出来るはず
    と、空を飛ばせようとして、転落死させるような事もある。

    比喩だらけで何が言いたいのか、わかりにくくなっとるが
    いくら自分の実の子でも、同種族という保証はない、って話。

    美しい親から産まれた醜い子供、賢い親から産まれた愚鈍な子供
    親は自分の子なのだから、自分の血を受け継いでいるはず
    美しいはず賢いはず器用なはず優しいはず強いはず
    そうやって、血の繋がりに呪いをかけてしまう。

    ここで一番恐ろしいのは、これに真の愛情が含まれるとこである。
    信じられないであろうが、どんな親にも無条件の愛が存在する。
    親の愛は、自己愛が混ざっていようが、歪んでいようが、本物なのだ。

    何が足りなくても何が出来なくても、親の愛に揺らぎはない。
    だからこそ、思い通りにならない子供を見て親は苦しむ。
    その姿を見て、子供も苦しむ。

    実は、愛とはそんなに正しい事でもないんだろうな。
    世の親を見ていて、そう思う。

    すべての親子関係がこうではないだろうが
    賢い父親と美しい母親の間に産まれた、バカでブサイクな子供は
    親の愛に縛られ続けるのである。

    真にバカだったんで、親の言う事を聞きはするけど
    理解出来なかったのが逆に幸いして
    愛のみで育ったつもりになっていたけど
    今になって思い返すと、親は悩んだんだろうな、と、とても申し訳ない。

    もし子供の頃に、この関係に気付いていたら
    違った性格になっていたかも知れない。
    良い方にか悪い方にかもわからんけど。

    親の存在は、一生消える事はない。
    たとえ親が死んでもだ。
    というか、死ねば死ぬほど強くなったりする。
    いや、何度も死ぬって意味じゃないが。

    いくら自立しても、親の呪縛に苦しみ続ける人もいる。
    親の思惑に気付いていた、賢くも愚かな子供である。
    そういう子供に、重要な事はほぼすっ飛ばして生きてきて
    最後のそのまた後になって、ようやくふと気付いた私が言いたい。

    親の期待はごく自然なものなのだ。
    親は我が子を同種族にしか見られない。
    愛で目が曇っているからだ。
    親の目は、ある意味腐っとるのさ。

    だから親の希望を気にする必要はない。
    親と同種族だったら、おめえにその望みは叶える事が出来ただろう。
    獅子に 「飛べ」 言っても無理だろ。
    気にせず、狩りでもしとけ。

    親の目は覚めない。
    覚める事が出来るのなら、託卵は不可能だから。
    子供を “神様の贈り物” とか言うのは、案外的を射てるかも。

     ミニ知識: 託卵 (たくらん)
    カッコウが有名。(てか、私はカッコウぐらいしか知らない。)

    カッコウは、他の種類の鳥の巣に卵を産む。
    親鳥がいない隙を狙って産みつけるのだ。

    こっから、ちょっと怪しい記憶なんで断言は出来ないけど
    カッコウのヒナは、よそんちの巣で孵化した後
    他のヒナたちを巣から蹴り落としたりして、次々に殺していくのだ。
    ちょっとしたホラーである。

    何故こういう事をするのかっちゅうと
    エサを独り占めして、自分だけ成長したいからで
    血縁もねえ他のヒナなど、知ったこっちゃないらしい。
    親が親なら、子も子である。

    その間、親鳥はカッコウの子が我が子ではないと気付かず
    しかもその他人の子に、実子たちが惨殺されてるのも知らず
    この不法侵入の連続殺人鬼に、せっせとエサを運び続けるのである。

    気付かないからこそ、幸せだという話かも。

    私たちはカッコウなのか?

  • ジャンル・やかた 2

    いきなりの “コレ” で、どう説明しようかねえ。

    振り向いたローズの目に映ったのは
    体育座りをして、うつむくアッシュだった。
    驚くローズにアッシュがつぶやく。
    「自分の殻に閉じこもって良いですかあー?」

    「えっと、あんたの反応、よくわかんないんだけど・・・。」
    どう扱っていいか困り果てたローズに、アッシュが畳み掛ける。

    「だって私、ホラーファンですもんー。
     何かもうよくわかりますもんー。
     ありがちですもんー、先、読めますもんー。
     何これ?何これ?言ってる間に、次々に周りが殺されていって
     運良くラスボスを倒せても、最後の最後に大どんでん返しになって
     『キャアアア』 とかなって、エンドロールでしょうよー。」

    言いながら、自分がとても不憫に思えてきて
    涙が溢れてくるのみならず、鼻水まで滝落ちし始め
    “涙ながらに訴える” にしては、同情しかねる汚い事になりつつも
    気持ちがどんどんエスカレートしていき、しゃくり上げながら続けた。

    「私が主人公って限らないじゃないですかー
     脇役だったら、シャワーを浴びただけで殺されるじゃないですかー
     風呂にも入れず、わけもわからんと、ただ殺されるなんて
     リアルであって良いんですかあー?」

    もう、ここでローズの方こそ、意味がわからなくなっていたが
    エキサイトしたアッシュは構わず叫び続ける。
    「大体、あなただって味方だとは限らないじゃないですかあー?
     安心させといて、ラストで鬼のような顔で振り向く、とか
     すげー危なくないですかー?」

    こういう時の女性は、自分でも何を言ってるのかわかっていない。
    アッシュもそのせいで、後のフォローが大変な人生なのだが
    今回はさすがに自分を全解放しても、しょうがない事態ではある。

    ローズがアッシュを、異質なものでも見るような目をして見つめていて
    アッシュもそれを感じ取っていた時に、声がした。

    「おいおい、ローズ、大変そうだな。
     今回はキチガイのお守りかい。」

    その言葉が耳に入り、脳がその意味を理解できた時
    アッシュはこめかみあたりで、ピチッと音が鳴った気がした。

    「ああああああああああああああああああああああーーーーーーーーー」
    叫びながら、アッシュは声の元に突進して行った。
    いつ手にしたかわからない棒状のものを相手に振り下ろす。

    手の平と肘に、衝撃とともに鈍い痛みが走ったが
    叫び声を上げながら、何度も何度も棒を振り下ろした。
    「あーっ! あーっ! あーっ! あーっ!」

    それは正に、人が狂気の底に陥った瞬間で
    見ている人には身震いするほどのおぞましさがあった。

    だがそんな状態になりながらも、自力で我に返る事が出来るアッシュは
    ある意味、冷静さを失わない種類の人間である。

    しかし、目の前に横たわる小柄な男性の血まみれの顔面を見て
    再びパニックを起こした。
    「やってもたーーー! やってもたーーー!」

    今まで交通違反も犯さず、真面目に生きてきて
    むしろ善人系統だったのに、いきなり殺人者に転落かよ!

    抱えた頭を前後に激しく振るアッシュの姿は
    どっかの部族の儀式の踊りのように見えて
    ローズは言葉すら出ないほど、呆気に取られた。

    が、アッシュの脳内では、そんな事はお構いなしに
    グルグルと計算が働いていた。

    いや、これは突発的な危機回避であって
    凶器もそこらへんにあった物だし、殺意はなかったと
    凶器、凶器、あっ、何かあるはず!
    アッシュは倒れている男を見る。
    手には、釘が何本も貫かれた角材が握られている。

    これ! これは死ぬよね! 計画的な殺意ありとかだよね!
    正当防衛だよね! でも殺しちゃったら過剰防衛になるわけ?
    でもこの状況じゃしょうがないよね! 茫然自失だよね!
    あっ、あっ、あれ! あれ! あれだよね!

    ガッと立ち上がって、ローズの方をグルッと見て叫ぶ。
    「心神喪失だよね!!!」

    よしっ、これで過失致死可能!
    前科もないし、もしかしたら執行猶予が付くかも知れんし
    最高で責任能力なし無罪、もしくは精神の治療か何かで済むかも!!!

    ローズの方が、遥かに動揺していた。
    通常とはかけ離れた言動をするこいつに、どう対応すれば良いのか?
    今すぐにでも白旗を揚げたかったっが、それは出来ない決まりで
    何より失態が続けば評価が落ち、ここで生きにくくなる。

    「と、とにかく、住居フロアに行くよ、あそこなら安全だし。
     とりあえず、ここは人目が多すぎるからマズい。」
    「はあ? 人目ーーーーーーー? 何だよそれ
     私には人の視線なんてわからないんだよっ!」
    「視線じゃなくて、実際に見てるから!」

    アッシュが吹き抜け上部を見回すと
    2階や3階のフロアの手摺りから、男女合わせて20人ぐらいが
    こっちを見下ろしている姿があった。
    「ああっ! マズい、目撃者があんなにーーーーーーっっっ!」
    「だから、さっさと行くよ!」

    アッシュの腕を掴んで、ズンズン歩くローズにアッシュが叫ぶ。
    「死体はー? 死体遺棄まで付いたら困るーーーーーっ!」
    「向こうの死体は片付け屋が来るし
     あんたのやった方は誰かが手当てするから!」
    吐き捨てるようなローズの答に、アッシュが腕を振りほどき
    倒れた男の元に駆け寄って、手の脈を取った。
    が、どこが脈かよくわからないので、口に手をあてたら呼吸をしている。

    「やったー! ラッキー! 生きてる! 生きてるよ!
     過失傷害ゲーーーーーーット!!!」
    いいから! と、ローズが再びアッシュの腕を掴む。

    見物していた人々の反応は様々だった。
    「ヘンなヤツが来ちゃったねえ。」
    「特例だしな。 にしては異質だがな。」
    「ありゃあ大変だー、ローズも苦労続きで気の毒に。」
    「ローズ、良い気味さ。」
    「なあに、すぐ終わる。」

    小走りに急ぐローズに手を引かれ、階段を上り廊下を行く内に
    過失傷害に浮かれた頭もだんだん冷め、周囲がよく見えてきた。

    長い廊下は、各部屋のドア部分と窓、それに中央に出来た獣道以外は
    まるで雪国の道路の雪かきのように、ゴミが脇に積み上げられている。
    家具や調度品、布、箱、紙、何だろう、金属の部品のようなもの。

    玄関ホールも、階段もそうだった。 この館全部がこうなのか。
    これだけの荷物を、一体どこから集めてきたのか。
    恐らく臭いも、ものすごいはずだが
    パニックが続いてる時に鼻が慣れてしまったのか、よくわからない。

    と言うか、私は一体何をしているんだろう?
    そう気付いた途端、アッシュの心は急速冷凍された。

    「あの、鎌・・・ローズさん、今どういう状況なんでしょうー?」
    「? 今、安全な場所に急いでいる最中さ。」
    「私は何も教えてもらえず犬死にですかー?」
    「犬死に・・・、あんた結構、把握できてるんだね。
     それだけでも随分安心できるよ。
     心配しなくても、あたしの知っている事は教えるから
     とにかく今は居住区域に急ごう。
     あそこは安全だから襲われる事はない。」

    ローズの言葉の端々から、ここでは規律が存在するんだ
    と、アッシュにはわかった。
    無秩序ほど恐いものはない、という事をアッシュが知っているのは
    ひとえにホラー好きだからである。

    奥が深いようで浅いアッシュ、どうなる?

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 1 09.6.15
          ジャンル・やかた 3 09.6.25    

  • 爪が伸びる速度

    爪が弱い私だが、伸びる速度は普通だと思う。
    爪が伸びる速度って、時々変わらんか?

    何故これに気付くか、というと
    “爪が弱い人は、爪切りを使ってはいけない”
    という美容の鉄則があって、それに従って爪ヤスリを使っているからだ。

    この爪ヤスリっちゅうのがな、すんげえ面倒くせえんだ。
    ガラス製にしてからは、削りが良いので時間短縮になったんだけど
    それでも両手の10個の爪をカシカシカシカシ削って、形を整えて
    というのは、とてつもなく根気のいる作業なのだ。

    足の爪ももちろん弱いのだが
    足にまでそんな事をやっとられるかい!
    と、爪切りでバシバシ切っている。
    一瞬で終わる爪切り、とても爽快である。

    そもそも手の爪も、爪ヤスリで削って10年以上だが
    弱さに何の変化もない。
    爪ヤスリ、また美容の嘘じゃねえのか?

    それほど面倒くせえので、爪チェックをしきりにするのだが
    時々、爪の伸びがやたら早い時がある。
    どういう状況でそうなるのかがわからなかったのだが
    病気をして判明した。

    リンパ腫らし、百日咳、風邪の類、と患って
    1ヶ月ぐらい、in布団生活だった。
    微熱続きの時など、寝てても眠れず、かと言って起きれず
    もう、一日一日がやたら長く感じて辛かった。
    こういう刑罰ってアリだと思う。

    だけど、爪の伸びだけは異常に早いのである。
    もしかして体感時間に比例してるんか? とも思ったが
    そんなわけはないよな。

    通常時なら、爪削りは10日おきぐらいで済む。
    それが、5日 ~ 6日ぐらいで
    削らなきゃいけない長さにまで伸びているのである。

    ちょ、何で闘病中に爪削りに追われなきゃならんのだ?
    と、座っているのは辛いので、寝て胸の上にティッシュを敷いて
    爪を削っていたのだが、粉塵を吸い込んだかも知れない。
    百日咳なのに。

    何故こうなるんだろうか?
    あれこれ推理して、思いつくのは
    “ずっと寝てたから、体の他の部分の運動量が落ちてて
     本来ならそこに消費されるエネルギーが、爪に回った”
    こんなもんぐらいしかない。

    爪って、栄養をいつもより多く摂ると
    伸びた時に横に段差が出来るよな。
    栄養を摂った時期に作られた爪は、ちょっと厚いんだ。

    爪の生成には、カルシウムじゃなく何だったっけ?
    よく覚えてないけど、他の栄養素が必要らしく
    その手のサプリを飲んだ事もあるけど、何の違いも感じられずやめた。

    どうも私の場合、肉を食うと爪が厚くなる気がする。
    これに気付いたのは、兄が連続で牛肉を送ってくれた時である。
    もう必死こいて、その牛肉を食いまくったのだが
    その時に爪が横線でボコボコになった。

    何で線でしか表示されないのか、もっとキレイに生えないのか
    ほんとムカついて、バッファーで削ってしまったが
    毎日肉を大量に食わないと、爪が全体的に厚くならないのなら
    総合的に私の人生では無理! と、諦めたさ。

    爪の状態には何の変化もない。
    栄養が余分に行ってる気配はなく、伸びる速度が早いだけ。
    これは一体どういう事なんだろうなあ。

    ちなみに、手と足の爪は連動していないようだ。
    手の爪よりも足の爪の方が、異様に早く伸びる事が多いのだが
    それも理由はわからない。
    今回の病気中は、足の爪の伸びは普通だった。

    爪が伸びる速度に影響を与えているものが
    手と足では違うような気がする。

    ・・・と、ここまで書いて、ふと思い立って昔の記事を探してみた。
    どっかで爪のグチを書いた気がしてな。
    あったよ、08.8.29の “爪”

    この時点で、爪に必要な栄養を知ってるんじゃん、私。
    アミノ酸と亜鉛? 爪はたんぱく質で出来てる?
    すったり忘れていたなあ。

    そんで、肉を食うと爪の伸びが早くなる、って書いてあるけど
    兄の牛肉攻撃は、去年かおととしの冬だったはず。
    何で去年の夏なのに、爪の横線の事を忘れているんだろ?

    自分の思考の持っていき方が、自分でもわからん。
    爪には常々悩まされているんで
    その試行錯誤をしている様子が表われているんだろうけど
    勘違いや物忘れが多すぎる!!!

    過去記事との矛盾は、思想系は考えが変わったからなんだけど
    データや知識系は、どっちが正しいのか怪しいので
    真に受けずに、自分で調べてください。
    ほんとすいませんほんとすいません。

  • マルティナ

    ドイツのオーガニックコスメである。
    まずはハッピーエイジとローズの、各スターターセットを使用。

    セットの値段は¥1155で、内容は
    クレンジングクリーム、化粧水、乳液、クリーム。
    化粧水だけ6mlで、他は4ml。

    このメーカーの最大の特徴は
    乳液とクリームを混ぜて、好みの濃度に調節できる事。
    ためしに別個に使ってみると、乳液はごく普通の感触だが
    クリームがちょっと硬くて伸びにくい。

    匂いは、くっさーーーーーーーー!
    特にハッピーエイジなんか、何の匂いかと問われても
    漢方系っぽい植物? ぐらいにしか例えられない。
    決して良い匂いじゃないと思うんだが
    この匂いが効く気分を盛り上げてくれてるんだと思う。

    塗ると慣れるんか、すぐ匂いを感じなくなるが
    体調の悪い日などは、いつまでもその匂いが鼻につく。

    化粧水はオーガニックにしては、まだ潤う方。
    それでも使う必要性を感じないほど、肌に入らない。
    クレンジングも、刺激もなく、落ちも普通。
    大方のミルクタイプと似た洗い上がり。

    オーガニックコスメには、“夜はなるべく何も付けるな”
    という定番の考え方があり、クリームを昼用夜用と分けてる場合が多い。
    ここも 「夜はなるべく素肌で」 と言ってはいるが
    乳液とクリームは朝夜兼用なので、その点が便利。
    ま、クリームは単体では伸びが悪く、とても使いづらいので
    乳液も必要で、結局は2個持つ事になるんだろうけど。

    他に目ぼしいクリームが見つからない場合、私はここのを使うかな。
    混ぜるという手間が、何かワクワクするんだよな。

    アイクリームのサンプルはないが、現品で買ってみるつもりである。
    ここの商品は、会社の理念や製品のシステムも
    “オーガニック” という事では、ハズレはない気がする。

    理念? 自分で調べろよ、と高飛車に言いたいが、簡単に書くと
    創始者の女性が子供の頃に、顔を犬に噛まれてすげえ傷になって
    大きくなったら皮膚移植をしようかね、っちゅうとこに
    どこぞの医者から薬草クリームを勧められて、塗ってたら
    少しずつ傷跡が目立たなくなって、移植いらね、で
    自然の力ってすごい! になったんだと。

    ほら、私が伝聞すると感動もへったくれもねえだろ。
    原料とか製法とかにもこだわってるみたいだから
    カタログやサイトを読んでみると良い。

    肝心の値段はといえば、1年ぐらい前にユーロ高で
    各商品が数百円の値上がりをしたらしい。
    どれも微妙に “良いお値段” なのだ。

    ハッピーエイジシリーズだと
     クレンジングミルク 150ml ¥5880
     化粧水       100ml ¥4725
     乳液        100ml ¥6930
     クリーム       50ml ¥6930

    な? 高いだろ?
    化粧品としての値段では普通の範囲だけど
    私の身分だと、買うならローズじゃないと無理。
    ローズシリーズになると、各¥1500以上安くなるんだ。

    という事で買っちゃった、ローズミルクとクリームの現品。
    クリームは表面が変色しているのが恐いけど
    湯葉だって栄養があるんだから、と思いつつ強引に使う。

    化粧品の感想を書いてて思ったんだが
    対象があいまい効果の化粧品だからなのか、褒めるのが実に難しい。
    雑誌では、天にも昇るような高評価が並んでて
    美容ライターってほんと凄いな、と思うぜ。
    自分が粗探しばかりやってる人間に思えて、落ち込む事多々。

    だが今回のマルティナローズ現品使用は違う。
    使い心地は良いは、肌は柔らかくなるは、ツルツルな手触りになるは
    しぼんだ肌がイキイキしてきて、ありがたやーありがたやーなのだ。

    上の “可もなく不可もなく” の感想と180度違うだろ?
    実はこれを使う前に、タウトロッフェンのローズナイトクリームを
    使ってて、それがえれえ伸びが悪く肌になじまないのでイライラして
    途中 「もう何もつけなくていいわ!」 とか、投げ出したりして
    使い切るまでに、5ヶ月ぐらい掛かってしまったのだ。

    タウトロッフェンは今でも、効きそう、と期待してしまう
    魅力があるメーカーだが、クリームの使い心地が悪すぎる。
    マルティナのミルクは、ほんと普通の使い心地なんだが
    タウトロッフェンのナイトクリームの後に使ってるんで
    極上の肌なじみに思えてしょうがねえんだよ。

    これを考えると、お手入れも継続がやはり大事なんだろうな。
    “使い続けられる” って、化粧品にも重要な項目だとよくわかったぜ。

    ちなみに、オーガニックコスメは開封後の使用期限がやたら短く
    それでもマルティナは、開封後3ヶ月以内? だったと思うんだが
    08年の11月末から使い始めて、途中他のメーカーとかにも浮気して
    使い切るのに何と半年以上かかっちゃったぜ。
    匂いや見た目に変化はないけど、変質してるかはわからん。

    使い始めたのが寒い時期で、クリームがないと乾燥が治まらない
    と思いつつ使ってたんで、クリームが先になくなってしもうたけど
    春になって暖かくなったら、乳液単体でもベトつく。
    夏はクリームは使いづらいと思う。

  • ジャンル・やかた 1

    この記事は、高熱で寝込んでいる時に見た夢。
    細切れの展開で、途中までしか見ていないけど
    とてもよく出来た夢だったので、小説にしてみた。

    と言っても、小説など読んでたのはガキの頃だけなんで
    小説の体を成していないかも知れないのは、ほんとすいません。

    アッシュは門の前でとまどっていた。
    目の前に広がっているのは、腰丈ぐらいに伸びた枯れ草の原。
    その彼方にポツンと建っているのは
    そっけない古いホテルのような外観の家だ。

    まさかこんなに広大な土地と家だったとは。
    家って言うか、・・・何だろ、建築物?
    フランスかどっかに、こんな城があった気がする。
    城という名に惹かれて観光に行ったら肩透かしー、みたいな?

    曇った空と冷たい木枯らし、枯れ野原の向こうに古い洋館
    心も体も冷え冷えになるような寂しさを感じるが
    とりあえず、門の錠前を開けようと鍵穴に鍵を差し込む。

    ところが錠は図体ばかりデカくて、大味なピンっちゅうの?
    それが中々鍵に引っ掛かってくれず、どんどんイライラしてきて
    鎖に繋がれた錠をガスガス揺らしながら
    しまいにゃガンガン門に叩き付けて、ゴリ押しでやっと開ける。

    その後、門にグルグル巻きにされた太いチェーンと格闘すると
    手が赤錆でザラザラに染まってしまった。
    破傷風菌がウジャウジャいそうで気色悪い。
    早く手を洗いたい。

    門は、キエエエエエエ と、ありえない音を発して開いた。

    ところで、敷地内に入って気が付いたのだが
    門の前からは、石畳の道が建物の方に続いていて
    その道以外の場所は、草ボウボウなのだが
    その石畳から門の左側に獣道が出来ていて
    塀側の終点に木製のドアがあった。
    あれ? 向こう側に別にドアがあったんだ・・・
    と、ドアの取っ手をひねると、簡単に開く。

    何じゃ、こりゃあ!
    こんなラクショーなドアがあったんかよ。
    じゃ、今度からこっちから出入りするよ!
    怒りつつも、律儀に門に鎖を巻き直し、錠前を掛けた。
    こういう几帳面さが、アッシュの長所でもあり短所でもある。

    だけど、この獣道はたまに見回りに来る人の形跡じゃないよな。
    毎日誰かが通っているような?
    そんな話聞いてない、やだ何恐いー!
    と、棒読みで考え、薄笑いを浮かべた正にその時、横から声がした。

    「ちょっと、あんた」
    「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ」
    悲鳴を上げて尻もちをついた時に、中年女性とその手元に鎌が見えた。

    ホラー! ホラーじゃん、これホラー!!!
    だよね、あの不気味門で気付くべきだったんだ
    設定、全部丸ごとホラーの始まりじゃん!
    古びた洋館で嬉々として殺人を繰り返す鎌ババア
    異国の寒空の下、凍えゆく心と体に危機が迫る!
    湯煙旅情の果てに行き遅れナイスバディが見たものとは?

    脳内で叫んでいるつもりが、ホラーホラー呟いてたようで
    「・・・頭の弱い子とは聞いてなかったよ。」
    こりゃ参ったねえ、とババアは鎌で草を刈り始めた。

    ・・・・・・・・・・
    あっ、草刈り? だよねえ、草、刈らないとね、草刈りね。
    と、自分の大袈裟な反応を恥じつつ、それをなかった事にしようと
    サッと立ち上がり、いかにも落ち着いてますよ、という声で言った。

    「失礼いたしましたー。 私はアッシュと申しましてー。」
    「あんた、妹だろ? グレーから聞いているよ。」
    「兄を知っているんですかー?」
    「うん、まあね。」
    「で、兄は何故死んだんですかー?
     てか、何故ここに住んでたんですかー?」
    「ま、案内がてら教えるよ。」

    鎌ババアが着いて来るよう顎で促し、スタスタ歩き出したので
    手から落とした荷物を慌てて掴んで、アッシュは後を追った。

    鎌ババアの後ろを歩きつつ、全身をなめまわすように観察した。
    明るい茶色の無造作ショートヘア
    ノーメイクだけど、作りは悪くなかったであろう顔
    薄手のカーディガンと、ブラウスにロングフレアスカートで
    全身ボンヤリした微妙なグラデーションのベージュでまとめて
    靴はバックスキン風味の編み靴って言うんかな。
    体型は巨乳、巨腹、巨尻、身長は150cm前後?

    こういうタイプが一番年齢不詳なんだよなあ
    でもスタンダードな田舎英国風マザーだよね、あるあるあるある。
    と、ひとり納得していたら、前から女性が歩いてきた。

    「おはよう」
    「はい、いってらっしゃい」
    鎌ババアとそれだけ交わすと、女性はアッシュに目もくれず
    あごを上げて、ピンヒールをカツカツと鳴らせて木戸から出て行った。

    え? え? 何で? 何で人が出てくんの?
    ここ住人がいるわけ? 何で? 兄はもういないのに???
    アッシュの動揺など、知ったこっちゃない、と先に進む鎌ババアに
    たまらず、声を掛ける。

    「すみません、鎌・・・いや、あのすみません、あなたのお名前はー?」
    「あたしゃ、ローズ。 さっきの女はリリー。 香水臭い女だろ?」
    確かに女性が通った後には、香りの帯が出来ている。
    「いや、そういう事じゃなくて、ここ住人がまだいるんですかー?」
    「だから道々話すから。」
    「はあ・・・。」

    何をもったいぶってるんだろう?
    そもそも、この女性は何者なんだ?
    てか、門から建物まで遠すぎ! 送迎バスを出す距離だろ、こりゃあ。
    荷物が肩にくい込み、子泣きジジイのようにどんどん重く感じ始め
    イライラしてきたと同時に、何かどんどん臭くなってきた。

    草刈ったら臭かった、フッ・・・じゃなくて、この臭いは何なんだろう?
    何の臭いか言われても、よくわからん、とにかく臭いっぽい
    としか表現できないんだけど、あえて言えば街中のドブ川のような?

    初対面で臭いの質問なんかして良いもんだろうか?
    と、礼儀作法について迷いに迷いまくっていたら、玄関ドアに着いた。
    デカい両開きの木製の装飾ドアである。

    うわ・・・、こんなデカい建物だとは思わなかった。
    相続税、いくらになるんだろ?
    こりゃあ相続放棄しかないんじゃないのか?

    アッシュが息切れでゼイゼイ言いながら、見上げて恐れたそのドアを
    鎌、いや、ローズが重そうに押し開けると
    中から猛烈な臭気があふれ出た。

    こりゃ臭いわけだわ!

    アッシュは一歩入って、全理解した。
    本来なら広くて立派だったであろう玄関ホールは
    四方八方隅々に積み上げられた荷物ゴミその他で丸い空間になっていた。
    何なの? このゴミの山、ここ、ゴミ屋敷なのー?

    アッシュは、ザツな言動のせいでよく誤解されるが
    神経質で真面目で、少々潔癖症な面もある。
    それがこんな場所に、足を踏み入れてしまうなど
    自分でも信じられずにいたけど、ここは兄が残した物件で
    アッシュは相続をどうするかを決めに来たのである。
    右から左に売り払おうにも、とにかく見ておかないと話にならない。

    しっかし、この玄関ホールだけで
    私の住んでる賃貸マンションが丸ごと入るんじゃないんか?
    田舎とは言え、広い上に何か豪勢だよな。

    ボーッと天井のシャンデリアを見上げて妬んでいたら
    いきなりローズに突き飛ばされた。

    ゴミ山に横倒しになり、もちろん痛かった。
    予想をしていなかったので、首も座ってなく
    グキッとかやって、ちょっとムチウチ気味になった。

    しかし文句を言う事すら出来なかった。
    振り向いたアッシュが目にしたものは
    首の皮膚が斜めに切られて、血を噴き出して倒れる男の姿だったからだ。

    倒れた男は白目を剥き、体全体を大きくけいれんさせている。
    アッシュのジーンズに、その血がパスパス掛かった。

    続く。

    関連記事: ジャンル・やかた 2 09.6.18

  • エクスピュール ボディクリーム

    ロフトで見掛けて、何気なしに買った1品。
    正式名称は、エクスピュール ボディメイク トリートメントクリーム。

    発売元は日本バイオロジック有限会社という、聞いた事がない会社なので
    調べてみたら、エステ用化粧品を取り扱っている会社のようだ。
    メイドインジャパンで、製造元はフローレンス。
    どっかで聞いた覚えがあるが、思い出せない。

    何故これを紹介したかっちゅうと
    塗った時に潤うボディクリームは数多くある。
    しかし次に入浴するまで潤いが残っているクリームは、あまりないのだ。
    だが、これはしっかりと潤いが残っているのがわかる。
    これは凄い事なのだよ。

    成分は、ババアの目には辛いほどの大量表示。
    細かい字でビッシリ11行並んでいるので、書き写すのを断念。
    この逸話で、無添加とかナチュラルとかとは縁のない品だとわかるはず。

    無残なツラには、オーガニックだのノンポリマーだの言うくせに
    何故ナイスバディには無頓着なのか?
    それはひとえに、金だ!

    裕福だった頃は、クラランスだのディオールだの
    しかも部位ごとに5種類ものボディ用コスメを塗りたくってた私だが
    奢れる者の転落を絵に描いたように貧乏になってからは
    顔に自然派で金が掛かるのに、体にまで大枚はたけるか!
    という怒りの元、ボディ用は150ml 1000円以下と決め
    ニベアだのジョンソンだのの低価格帯を使っている。

    そりゃ、体にもオーガニックとか使いたいけどさ
    天然って、臭いんだよ。
    それも決して良い匂いとは言えないものも多い。
    面積の広い体に塗ってたら、自分がまず匂いに負けてしまうぜ。
    そんで、化粧品業界も天然ものは高いしな。

    これは、300g 2625円だから、ちょい高めだが
    SK-2のボディクリームにも、こんな潤い持続効果はなかったので
    それを考えると、これが1本10000円でも不思議はないぞ。

    過去に使いあさってきたボディ用は
    どれも1個7~8000円台と、えれえ高かったのに
    結果はニベアとそう変わらんのは何でだ?
    あれらは金満時代の私のようなアホウをカモってただけなのか?
    冷静に言って、ボディ用、効かないよな?

    てか、ボディ用コスメは、浴びるように使わないと効かない
    と聞いた事があって、目安は1週間で1本だそうだ。
    えーと、1本7000円として、1ヶ月3万円ぐらい?
    ほんと、資産を吐き出させてくれるよなあ。

    これを聞いてから、ボディ用コスメへの期待が打ち砕かれたさ。
    チマチマしか使えない貧乏人だから、もうニベアで良いよ。
    しかもニベアもチマチマ使わせてもらう。
    貧困に負けるな、私のナイスバディ!

    とにかく、このボディクリームは
    ボディ用には何の期待もしていないヒネた私を驚かせた逸品である。
    保湿重視のボディクリームをお求めの方、1度お試しを。

    あ、塗り心地はそんなに良くない。
    柔らかいクリームなのに、白さが中々消えず伸ばすのに手間取る。
    スーッとは伸びないタイプだけど、ベタつきはなくしっとり感タイプ。

    んで、容器がピンクでバラの絵も描かれているので
    普通バラの匂いだと思い込んでいたが、改めて確認すると何か無臭。
    成分表にもちょこちょこ “○○バラ油” とか書かれているんで
    もしかして開けた当初はバラ臭だったのかも。

    いや、伸びとか匂いとか、そんなのはこいつの戦力外。
    とにかく、とにかく、保湿持続力の1本勝負なら、こいつをお勧めする。