「まあまあ、またお会いできるとは!
あの時はロクにご挨拶も出来ずに・・・。
え? 北国の王子におなりに?
それは本当に喜ばしい事ですわ!
あなた、王様、このお方が黒雪姫の恋人ですわよ。
ほほほ、そうスネずに。
第一王子、こちらにおいでなさい。
ほら、以前話したヘビ王子、それがこのお方よ。」
「王子が許されて、北国の王子として
人間界に組み込まれたらしいぞ。」
「おお、賢者さま、それは良かったですな。」
「妖精王さまも神さまも、粋な計らいをするもんじゃて。」
「そして王子は、黒雪姫と再会できたらしい。
黒雪姫は北国に嫁ぐらしいぞ。」
「ほお・・・、あの女を嫁にしたい男がいるとはのお。」
「わしらは何度投げられた事か。」
「じゃが、あの王子の母はハブ女王じゃし。」
「あの女も大蛇も変わらん凶暴さじゃしのお。」
「わしらも、また会えるかのお?」
「うーん、もちっと心の傷が癒えてからにしてほしいのお。」
「久しぶりじゃな。 ヒッヒッヒッ」
「・・・魔女か・・・。」
「あたしが奇跡をあげたのに
結局捕まるとは、あんたも能がないねえ。」
「そもそも最初に敗戦した時点で
妖精界から逃げるべきではなかった・・・。」
「じゃあ、あたしが東国に連れてってあげたのは
いらん世話だと言うのかい?」
「おまえは実に上手くやった・・・。
“奇跡” という言葉は、わたくしの誇りまで奪い去った・・・。
いや、そんな言葉を真に受けた時点で
わたくしはもう誇り高き女王ではなくなっていたのだろう・・・。」
「泣き言はいらないよ、気持ちはわかるけどさ。
今回の観察では、あんた以外の動きが面白かったしね。
まあ、それもあんたの働きのお陰だろうから
ひとこと挨拶に来ただけさ。」
「魔女よ・・・、おまえは何故妖精王の結界を通れるのだ・・・?
ここは何者たりとも入れぬ、妖精王の牢。
何故おまえはそこにいる?」
「ヒッヒッヒッ、質問されるのは好きだよ。
答えるとは限らないけどね。
・・・ま、いいさ。
あたしゃね、何にも属してないから
結界どころか、時間も関係ないのさ。」
「属してない・・・?」
「そう。 あたしゃ、少し道筋を曲げて
こうなるはずなのがどうなるか、それを観察するのさ。」
「よくわからぬ・・・。
それで何になるのだ・・・?」
「さあてね。
あたしにもわからないよ。
意味はまた他に誰か、考えるヤツでもいるんだろうさ。
あたしゃただ水面に石を投げて、波紋を見て楽しむだけさ。」
「残酷な存在もあったものだな・・・。」
「おっと、逆恨みはやめとくれ。
あんたの現状は、しょせんあんたの資質さ。
あたしゃ行くよ。 じゃあね。」
4回も突付いたというのに、今回は失敗だったね。
さあて、次はどこへ行くかねえ。
魔女と名乗る観察者は、星のきらめく闇の中でノートをめくった。
「エ・・・? 結局 ワシ 出番ナシ・・・?」 by 樫の木
終わり
関連記事 : 黒雪姫 41 10.11.9
黒雪姫 1 10.7.5
小説・目次
音声ブログ : 黒雪姫 1 10.10.27 by かいね
黒雪姫 42
コメント
“黒雪姫 42” への9件のフィードバック
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今回も最初から最後まで熱中させていただきました。
皆さんと同じく、継母のキャラが大好きです。
「まったくあなたときたら、子供を産まないと帰って来ない。」
という言葉が特にぐっときました。黒雪姫には、心のいろんなところを揺さぶられました。
完結に寂しさを感じてしまうくらい、面白かったです! -
はじめまして、いつもブログを読ませて頂いてます。
黒雪姫、続きが気になって日参するくらい面白かったです。終わったのは寂しいですが、また新作を楽しみにしてますね。
蛇&マッチョって無敵ですね。 -
あまぐり、嬉しい感想をありがとう。
継母好きかー。
意外に母性もあるんだよな、継母。あや、ようこそーーー!
蛇とマッチョ・・・?
はっ!!! 竜?イヤな予感がヒシヒシと滲み出す
黒雪姫の続編も、期待してくれ。次は別の話を書く予定なんだ。
でもロマンスロマンス言うのは、もう止めるよ
冬だし、心が冷えきっちゃったよ・・・。 -
おお、ひょっとしてこれは「観察者シリーズ」なのでしょうか?
超ハッピーエンドを堪能できました。 -
うん、そうなんだ。
私は子供の頃に
アリの行列を足でさえぎってたんだ。
その私が書く話だから。黒雪姫シリーズは
ハッピーエンドを繰り返すぞ。
・・・小人たち以外は。 あはは -
正気に戻ってからの母娘の会話が楽しかったです♪
そしてめでたしめでたしな終わり方も良かったなぁ。
久々にお話を読みましたが、やはり楽しめますね!
さ、続きを読みますよ!w
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まありちゃん、ありがとうー。
黒雪姫シリーズは、黒雪姫が主役だけど
どんどん他のヤツらが出張ってきて
もう、わやくちゃに・・・、という展開なんだ。私は、“物語は終わらせる事が大事” という
主義を持って、小説を書いているけど
この黒雪姫シリーズだけは
話を終わらせるつもりがないんだ。1作完結だけど、謎を次に残す
という形で続けていきたいな、と。名作童話のパクリから始まった話だけどw
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あしゅちゃん、楽しく読ませていただきました。
超極悪な人は、いないんですね。
人間(以外も)、見る角度から、いろいろ違って
見える、って事かな?
自分自身は、
リアル世界でも、そのことに気づけたらいいかなあ・・・
筋骨隆々の姫のドレス姿、想像すると笑える・・・それで、・・・えーーーっと、
他の方のコメントにありました、「観察者シリーズ」って
何ですか?どれですか、気になるー。 -
momoちゃん、読んでくれて
感想までくれて、どうもありがとうーーー。黒雪シリーズは、王子の願い通りに
ラブラブ恋バナで行くつもりだったんだ。
ほんとすみませんほんとすみません観察者は、パロディー小説に
ちょこちょこ出てくる婆さんなんだ。パロディー小説は、有名な話をパクッ
いや、もももモチーフ?に?するから
話を歪めさせる罠ナビ係が必要だと思ってな。イキテレラで活躍してるよ、観察者。
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